「鹿の惑星」その① 鹿との初遭遇

最近、人口が減った山間部の寒村では鹿やイノシシなどの害獣が急激に数を増して、地域の住民の生活を脅かしているそうです。私も実際に鹿が居住区に出てきてわがもの顔で畑などを荒らす姿を見たことがあります。広島の宮島や奈良でも鹿は見かけるのですが、あちらの鹿を一般鹿とするならば、人口減少地区の鹿は、まさに山賊鹿と言えるかもしれません。

私が初めて天然の鹿を見たのは小学生の頃、遠足に出かけたときです。ここで説明しておかなければならないのですが、山間部の小学校で遠足というと「〇〇山」や「〇〇ヶ原」へ行くことが遠足で、大型バスを使って何処かへ行くというようなことはありませんでした。貸し切りバスを利用した集団視察の類は「社会科見学」と呼ばれ、運動会に次ぐ希少イベントとなっていました。「社会科見学」に関しては、また別の機会に書かせていただきます。

さて、遠足に出かけたときなんですが、この時は「芝峠」が目的地だったと思います。全校生徒が一列になって徒歩で目的地を目指します。途中までは国道脇の歩道を行くのですが、それも30分ほどで途絶え、残りの行程は車も通れない幅3mほどの歩道を行くことになります。道の両脇には畑か田んぼしか広がっていません。

道は段々と登りになっており、ところどころの曲がりで下方向に田や畑が広がっています。その時です、低学年の子供たちが騒ぎ始めたのは、数人の子供たちが100mほど先の田を指さしていました。よく見ると、そこには角の生えた大きな生物が立っていました。私たちが騒ぎ始めたためか、その生物は田の中を走り始めました。それが角の生えた雄の鹿だったのです、いやーびっくりしました。私たちも田舎には住んでいましたが、実際に大きな鹿を見かける機会などほとんどなかったからです。

その鹿は、自分の存在を私たちに見せるために現れたかのようでした。全校生徒に見えるように、稲刈りの終わった田の中をゆっくりと走って、その姿を見せてくれました。これが初めての「野生の鹿」との遭遇でした。しかし、鹿との縁はこれで終わることなく、ずーと続くことになります。次回は「不死身の鹿」に関してお話したいと思っています。ご期待ください。

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