兄が語る太陽から遠いところほど寒い理論

私にはひとつ年長の兄がいます。兄は急激に身長が伸びて160cmを超えていました、私は小さな方だったので、とても1つ違いの兄弟には見えませんでした。そんな兄の話です、兄は学校への通学路で、道々いろんなことを教えてくれました。私たちが通っていた小学校は、家から直線距離で600~700mの近距離にありました。

国道に沿って大きな道を行くこともできるのですが、田んぼの中の農道を行くと近道なので、いつもそこを通っていました。雪が降ると、真っ白な平面に兄弟ふたりの足跡が残っていくのです。それを振り返り、振り返り、学校へ通いました。

ある雪の日、兄が教えてくれました。「知っとるや、ここは太陽に近いけんこれくらいの雪で済んどるけど、太陽から離れた平地はもっと雪の降るとぜ。」さすが兄だと感心しました。そうすると今日は30cmくらい積もっているので下の方では…「この前、日田に行ったろうが、あんときくさ5階建てのビルでごはんば食べたろうが」そうなんです、居住地区を西へ降りて行くとムツゴロウさんの出身地・日田なのです。

その頃の日田はまぁまぁには栄えていて、背の高いビルもどんどん建っていました。兄は、その日田で見たビルのことを言っていたのです。「あそこは太陽から遠いけん、あげなビルば作るとぜ。雪が積もると、その度に入り口が2階、3階ち変わっていくったい。」はぁー、そうだったのかと感心してしまいました。

この時、私が理解したのは太陽から遠い、つまりは平地は寒く大雪が日常的に降るということ。また、その大雪に備えてビルを作って、積雪に応じて入り口を上の階に変えていくこと。学校で先生は教えてくれないのに、兄はやっぱり大したもんだと思いました。

この話を母にすると大笑いされました。「だまされとる。」母は笑い転げました。雪が大量に降るのは自分らが住んでいるこのあたりだけで、平地になるほど雪は降らないものだと改めて説明してもらいました。急激に体が成長した兄は、ものを考えるとき、少し斜めっていたため私は何度も騙されました。まあ、おもしろい思い出ではありますが。

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