チベットと日本の高地の通学路

先般TVでチベットの高山地方の子供たちが、危険な通学路で学校まで行く様子を密着取材した番組をやっていました。崖のような傾斜が急な道、急流に架けられた小さな橋、大人でも大変そうな難所が次々に紹介されていきます。子供たちは途中でおやつを食べつつ、学校まで歩いていきます。

ほとんどの視聴者は「大変よね」「こんなの毎日行けないよね」と、まったく別世界での出来事として見ているでしょう。しかし、私は思うのです、日本のように国土面積の4分の3が山間部であれば、チベットとまでは行かなくても、相応に大変な通学を強いられている子供たちがいると。

私は小学校までの距離は近かったのですが、中学校までは4㎞の距離がありました。最も遠くから来る子は私たちの地区まで4㎞を歩き、そこからさらに4㎞歩かねばなりませんでした。片道8㎞、往復で16㎞の通学路を毎日通うことになります。

「自転車で通えばいいじゃないの」と思われるかもしれませんが、標高が800mを超えるところに住み数百m降りたところに中学校はあったのです。自転車で下るのは問題ありませんが、登るのは大変な苦労です。48ヵ所カーブがある日光の「いろは坂」をご存知でしょうか、まあ同じような道路状況です。

田舎の道なので行程の大半が山林か田畑です。夏の暑い時にはトマト畑のトマトを食べ、キュウリ畑でキュウリを食べ、そこいらの畑を荒らしてまわるので害獣のようなものでした、学校では「野荒し」として問題となり、カバンの中を検査され「食塩」のビンを証拠に責められました。

冬になると積雪のためトラックが速度を落としてカーブを曲がります。待ち伏せして、荷台につかまり坂道を引っ張ってもらいました。これは、トラックに引っ張られていく最中に村の駐在の車が後ろに着いて発見され、親まで呼ばれてこっぴどく怒られました。

今では生徒数が減って、他の行政地区の学校と合併したためバスが生徒の送り迎いを行うそうです。チベットの通学路ほどの冒険はありませんでしたが、そこそこ楽しめる通学路だったのを今でも思い出します。

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