「ちょっと、うざい部長」とコワイ話 その②

部長と四国へ出張に出たときです。相変わらずナビを信じない部長は「間違った道案内」を繰り返しておりました。私がナビが正しのではないかと話をすると「お前たちは若いけん、ようわかっとらんばってんが、コンピュータとかナビゲーターとかほんなこつは間違ごうとると。こげなもんに頼とったら騙さるる」部長が言いたいのは『コンピューターやナビは間違いが多く、信じると騙される』ということらしい、私はいっしょに出張に出るたびに、部長に騙されていたのですが。

そんな部長との珍道中でしたが、ある日、高知県に出張したときのことです。愛媛側から山を越えて高知県に入り、営業先を何軒か回って夕方になりました。例によって部長が嫌うため宿泊の事前予約はしてありませんでした。目に付いた適当なビジネスホテルに車を止めて、宿を探すのですがこの日も見事に「学会」の最中であり、ホテルが見つかりません。部長は「どっかあるくさ」と涼しい顔でした、このパターンで長距離移動を強いられたのは一度や二度ではありません。

市内をホテル探しで回っているときです。部長が地元のビジネスホテルを見つけます「あれはどうや」反対車線側に細長いビジネスホテル風の建物が見えました。近づくと「市内最安3000円から!」の垂れ幕が見えました、とりあえず次の信号まで走ってUターンしてホテル敷地に入ります。建物はかなり古く、建物脇の駐車場も数台が停まっているだけで余裕がありました。

フロントで確認すると「空いてます」の返事。部長は「俺が見つけとぜ!」はしゃいでいます、エレベーターでそれぞれの部屋に移動しました。部長とは別の階になり、先に部長が降り私はさらに上層階へ。部屋に入ると驚かされました、部屋の面積が異常に小さいのです。正面奥の窓は中心から間仕切り壁となっており半分しか見えません、ひとつの部屋を2つに分けた2分の1サイズになっていたのです。

私も3,000円のビジネスホテルは初めてだったので、まあこの価格だったら仕方ないのだろうと思っていました。夜、寝ようとしたときです、ベッドを寄せてある間仕切り壁を叩く音がします、寝ている私のすぐ脇です。しばらくしてまた叩きます、仕方なくこちらからも壁を叩いてみました。しばらくは静かにしていましたが、時間が経つとさらに大きな音と衝撃が来ます。

私は飛び起きて窓を開けて見ました、両方の部屋にまたがっているはずの窓ですが容易に開けることが出来ました。身を乗り出して外から隣の部屋の様子を見たのですが、電気も付けておらず人の気配も感じません。

仕方なくそのまま寝ようとしたのですが、そのとき「ドン!」すぐ脇で壁を叩きます「ドン!ドン」壁を叩く位置が高くなっていきました。「ドン、ドン‼」最終的には天井近くまで移動したのです。どう考えても人が叩いているようには思えませんでした。それからも隣室からは不審な物音がしていました、しかし、人の気配を感じることはありませんでした。

ほとんど寝ることもできずに夜は明けました。部長は相変わらず元気で、先に食堂で朝食を食べていました「なんか狭かったけど、まあ寝るだけやけんね」「そうそう、隣の部屋の奴が騒いで壁ば叩っくたい。頭にきた」高知市にあった3,000円のビジネスホテルのお話です。

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