南の島で経験した「怪奇現象」

先回、ゴキブリの話を書きましたが、南の島のゴキブリが巨大なのをご存知でしょうか、夜に外で音がすると大型のヤドカリですし、部屋の中であれば巨大なゴキブリです。学生の頃、沖縄の少し上の島でアルバイトをした時の話です。その島は夏になると関東方面からわんさと観光客が訪れて、島の人口が何十倍にも膨れ上がっていました。私は夏の繁忙期だけ友人とアルバイトで滞在することになりました。ホテルでの仕事だったのですが、朝は朝食のバイキングの用意、昼は場所を変えてカフェでランチの用意、夜はホールで夕食の準備、終了するのは2300過ぎで、南の島なのに海に行く暇さえありませんでした。

 宿舎になっていたのは旧製糖工場の寮ということで2階建ての鉄筋コンクリート造でした。しかし、建築されてから随分と年数を経ており、中央部分は天井が落ちかけており、私たちはふたりで2階の端の部屋を使うように言われていました。部屋数は全部で30戸近くあったと思います。

 最初の頃は仕事がきつくて部屋に戻るとそのまま寝ていましたので、あまり周囲のことは気になりませんでした、慣れてきて昼も遊びに出る時間がもらえるようになると、宿舎の事が気になり始めました。

 窓を開けて扇風機で寝るのですが、外気温の方が高いくらいの気候です。体力ができてくると暑さで眠れなくなるのです、夜、私たちの宿舎・旧製糖工場の長い廊下を人が歩く気配を感じることがありました。ホテルの人の話では廃墟だと思って入り込むホームレスがいるので1階の玄関は鍵をかけて、戸締りを確認するようにとのことでした。

 ある晩、その日も気温が高く寝苦しかったのですが、2階の廊下の奥でドアが閉まる音がしました「バタン!」、今日も友人と戸締りの確認はしてから床に入りました。さらに奥で「バタン!」やはり音がします。隣で寝ていた友人も気が付いたようでした「なんや、あれ」私たちは二人で廊下に出て確認することにしました。

 二人で一番奥の部屋まで行き、左右に分かれて各部屋の窓や中に異常がないかを確認しました。どこの部屋も窓も閉まっていました、廊下側の部屋のドアも確認の上しっかり閉めて、私たちは部屋に戻りました。「おかしかね、どこも異常はなかね」「そうやね」私たちは、お互いに不安を感じていましたが口には出せませんでした。そのときです「バタン!」私たちの向かいの部屋が強く閉まる音がしました。さっき、閉めたばかりなのに…。

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