荻昌弘さん、水野晴郎さん、淀川長治さん、みなさんのご職業は?

私が子供の頃は週に3回テレビで「映画劇場」をやっていました。月曜、水曜、日曜、まだ小さい頃は9時始まりの映画は「子供」にとっては夜更かしになるので見せてもらえませんでした。でも、最初の『解説』の部分だけ見ることはよくありました、荻昌弘さんは月曜日、水野晴郎さんは水曜日、淀川長治さんは日曜日が担当でした。

最近のテレビ枠でやっている映画は「解説」なんかありません、ポンと始まってそのまま終わりです。「解説」時代には、始まる前にこの映画がどんな背景で作られて、誰が出ていて、封切り当時の評判は…とお話があり、終わった後は劇中の名シーンや次回予告の話を解説者がしてくれるのです。「そんなの要らない!」そうですか、だから無くなってしまったんでしょうね。

月曜日の荻さんは理知的な感じのおじさんで、その日の映画の見どころや役者さんに関して的確な説明をしてくれました。月曜の放送ということもあって、硬派なイメージがあります。水曜日は水野晴郎さん、ご自分で配給会社を経営されたり、映画を製作されたりと映画が大好きな方で番組の終わりに言うキメ台詞は「いや~、映画って本当にいいものですね」でした。

そして、淀川長治さん。この方のことは忘れようがありません、亡くなったのは1998年11月11日 享年89歳でした。最後に解説した作品はブルース・ウィルスが主演した「ラストマン・スタンディング」です。収録されたのは11月10日、亡くなる前の日でした。「ラストマン‥」は黒澤明の監督で有名な「用心棒」をベースに作られた作品で「よーく見ているとあなた、町が、登場人物が、棺桶が、見たことのある‥」とかすれた声で黒澤映画が下敷きになったことを解説されていました。(Youtubeで淀川長治さんの「最後の解説」は見ることができます。)

どこでも映像を見ることのできる便利な時代になって、映画の解説などは必要なくなってしまいました。でも、それって「いい映画」を見る機会が減っているのではないかと思っています。昔の解説者の方々は今風に言えばキュレーターだったのではないでしょうか、それぞれの考え方で「これはいい映画ですよ」「見て感動してください」と説明される姿は今も忘れることはできません。

 

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