下手に触ると「なんばしょっと!」と怒られる

先日、このブログで「水炊き」の話を書いているとき、うちの家内が「なんばしょっと?」(何をしているのか?)と聞いてきました。書いている内容に関して聞いているのだと思い「水炊き」と答えると、「この暑かとに、そげんもんは作らん」(暑いのに、そんな水炊きのような料理は作らない)と返され、単なる社交辞令的に尋ねたのだと認識しました。

私的には博多で食べるなら「モツ鍋」がお薦めです、特に福岡ビルの裏手にある「楽天地」を推薦します。ビル全体がもつ鍋屋さんでニラで蓋ををするタイプの醤油ベースのもつ鍋です。なぜ、このもつ鍋屋さんを急に思いついたかと言えば「なんばしょっと」です、この店は山盛りのニラを鍋に入れて蓋代わりに煮込んで行きます、その過程でニラを押さえつけたり、かき混ぜたりしようものなら「おばちゃん」が疾風のように駆けつけてきて「なんばしょっと!」と怒られるのです。ニラは蓋代わりなので決して動かしてはいけないのです。

「楽天地」は創業から38年、700万人以上が食べたとして「ケンミンショー」や「アメト――ク」などでも取り上げられています。しかし、博多で昔から「もつ鍋」の元祖と言われてきたのは福岡市早良区にある「万十屋」です。この店はモツをすき焼き風にして食するのが特徴で、昭和18年から営業を続ける老舗です。現在、ポピュラーになった醤油ベースのもつ鍋からすると、少々スタイルは違ったものです。

創業から73年、周辺に田園の広がる早良の地にあって今もお客はひっきりなしです。テーブルについてメニューを確認して「もつ鍋(1300円)」をご注文下さい。陶器製の壺の中、秘伝の醤油タレに浸かったモツが運ばれてきます。モツは新鮮な国産牛が使われており、小腸・赤センマイ・センマイ・ハツの4種類。「おいしさの秘訣」はオゾン水を使って徹底的に洗浄して下処理を行うことだそうです。そのため、ぬめりや臭みのないホルモンを食することができます。

さて、このホルモンで鍋を作っていくわけですが、この店にも数人の「おあばちゃん」がおりまして全体を監視しています。テーブルには「混ぜない、さわらない」と注意書きまで置いてあります。もし、なんとなく気になって蓋代わりのニラに触ろうものなら、おばちゃんが飛んできて「なんばしょっと!」と怒れてしまいます。おわかりいただけたでしょうか、博多もつ鍋を勝手にいじると「なんばしょっと!」と怒られてしまうのです。

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