そろそろ夏、怪談の季節です、私の母の経験。

子供の頃は幽霊や空飛ぶ円盤は当然に存在し、何かのきっかけで偶然に見えるものだと思っていました。ですから、夜になって真っ暗な道を歩くときなど、怖いなんてものではありませんでした。それに山間部の寒村です、街灯もなく野生の動物が多く、動物のその目は暗闇でもわずかな光で反応して不気味な色に光りました。そんな環境でしたが、両親は「幽霊とかおるもんかい」と何にも動じることがありませんでした、まあ寒村生活への慣れというものでしょう。

そんな母がある晩、血相を変えて帰ってきたことがありました。母は近所の叔母さんと詩吟の練習に公民館に車で出かけていたのです。私と兄は、いつもと様子の違う母にどう対応してよいかもわからず、テーブルの前で手を組んで何か考え事をしているような母を心配していましたが、ほどなく父が帰宅して母は家族全員の前で少し前に自分が経験したことを語りはじめました。

「詩吟教室に行こうち思うて、滝沢さんば誘うて車で南野の公民館まで行ったったい」「教室が終わって、滝沢さんと戻って来よったらくさ。製材所があろうが、あの製材所の屋根のほうから『ほわっ』とした光が飛んで来たったい。あたしゃ、見間違いじゃろうと思うて黙っとたら滝沢さんがくさ」「今んとは、なんじゃったかい」「滝沢さんも見とったったい、あたしゃーえずーなってからくさ(怖くなって)滝沢さんとギャーちいうて帰ってきたと(ギャーと言って帰ってきた)」母は見たことのない興奮状態で私たちに状況を説明しました。

要は車で製材所の前を通った際、製材所の屋根から不審な「火の玉」が飛んできたということでした。母が言うには、あれが昔から言われている火の玉で死者の魂だというのです。いつも気丈な母には珍しく、その夜以降、しばらくは体調がおもわしくなかったようです。後にも先にも心霊騒動はこのときだけでしたが、我が家では「木曜スペシャル」的な出来事で、夏になれば話題になります。

母がいったい何を見たのかはわかりませんが、街灯もない山間部の村だからこそ起こりえたことだと思います。実は、母はUFOも見ているのです、このUFOに関しては私もいっしょにいたので詳細を語ることができます、このお話はまたの機会に…。

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