高齢者に対し限定免許等の対策、75歳以上に「認知症」の恐れ。

高齢者の運転が問題になっています。75歳以上の高齢ドライバーの認知機能検査を強化した改正道路交通法が3月12日から施行されました。同法に基づき3月から5月末までの2か月半、認知機能検査を受けた全国の高齢者は43万1,338人、そのうち2.7%あたる1万1,617人が、医師の診断が必要な「認知症のおそれ」があると診断されていたことが新聞発表などでわかりました。

警察庁ではこの恐れありの対象者のうち2,000人以上が免許停止か取り消し処分の対象になっていくのではと推計しています。改正法施行後に、こうした検査結果が公表されるのは初めてです。改正された道路交通法は75歳以上に対し、3年に1度の免許更新時と信号無視などの違反のときに、判断力・記憶力などを測定する認知機能検査を義務付けています。

このような検査で「認知症のおそれあり」の高齢者ドライバーが増加していることが確認されています。普通に考えても運動能力に支障をきたす年齢ですから、当然の結果ともいえます。警察庁の有識者会議では、自動ブレーキなどの先進安全技術を搭載した車の運転を条件とする限定免許の導入を検討するように提言しました。ただ、限定免許は現状認められている高齢ドライバーの権利を制限することになるため、事故防止効果を客観的な数値データなどで明らかにした上で、社会的な理解を得て慎重に対応していく必要があることも指摘されています。

都市部であればマイカーの代替としてバスや電車の利用が可能ですが、地方都市、特に農村部などでは公共交通機関がなく、車だけが移動手段となっている地域もあります。こうした地域では、要介護の高齢者を同じ高齢者が施設まで送迎しなければならない状況があり、80歳を超えても免許を手放すことができない場合があります。実際に85歳を超える私の母も現役ドライバーとして運転をしています。

健康体であっても、80歳を超えた老人の運転は「危険」です。注意力や判断能力の問題だけではなく、筋力そのものが衰えていますからハンドルを切る、ブレーキを踏むと言った行動が平均反応時間よりも遅れるのです。

高齢化対策としての免許制限等の実施は安全性の面から大いに賛成です。しかしながら、代替移動手段をどうするのかに関しては各行政体で同時並行的に検討してもらわなくては、高齢者に新たな問題を負わせてしまうことになりかねません。

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