怪談家なんて職業があったなんて稲川順二さんが元祖なんですか?

夏になると近くの市民会館に稲川順二さんがやって来て”怖い話”をやっています、私は一度も見に行ったことはありませんが、彼の話を初めて聞いたのは40年近く前になると思います。ラジオ番組に出演していて、その時は特別の肩書は持たれていなかったような気がします。”怖い話をたくさん知っている人”みたいな感じで紹介されていたような気がします。その時の話は解散した「かぐや姫」のメンバー伊勢正三(なごり雪を作った人)さんに纏わるものでした、ライブの録音に不思議な声が入っているというものです。

テープは伊勢正三さんが「では、みなさん一緒に盛り上がりまっしょう!」と言ってすぐに『私にも聞かせて』と小さな女の人の声が入っているのです。解説では、コンサートに行く途中に交通事故に遭って死んだ女性の霊がテープに語っているということでした。ラジオなのですが、それはゾッとする体験でした。しかし、このときの稲川さんは、こういうものがあると紹介するだけで、自分の体験を語るようなことはありませんでした。

恐怖のテープを聞いて数年経った頃です、稲川さんをテレビでお見掛けしました。この頃も、工業デザイナーをやっていて、怪談を良く知る人的な紹介だったと思います。この時、話されていたのが「旅芸人の宿」と「赤い斑点」というお話でした。これは、本当にあった話を稲川さんが聞いて、それを話しているんだということでした。どちらも良く出来たお話で、確かに怖かったです。えぇ、聞きたい?私は語り部じゃないので、大まかな話だけですよ。

〇旅芸人の宿

東北のある街に旅芸人が泊まる宿がありました。その宿には”開かずの間”があり、ある旅芸人の一行が泊まったときに、その開かずの間を開けてしまいます。部屋の中は薄明りで見えており、壁や畳には黒いシミがあって独特の異臭が立ち込めています。中に入った人は薄明りの元をたどって天井を見上げると、そこには天窓があって、血だらけの男女が部屋を見下ろしていたのです。

〇赤い斑点

ある小学校で声のするトイレがあると噂になります。そのトイレは女子便所で昔風のものです、その学校の生徒は恐れてそのトイレは使いませんでした。ある日、テレビのレポーターが取材にやってきます。問題のトイレに入って待っていると「赤い斑点付けましょか?」と女の人の声がします「赤い斑点付けましょか?」あまりの恐怖に我慢できなくなったレポーターは首を振って叫びます「つけてー!」その途端、レポーターは首を壁の釘にぶつけ血が飛び散ります。”壁には赤い斑点”が残されました。

私の記憶では上のようなお話でした。もう30年以上も前ですから詳細は覚えていません。先週「情熱大陸」に稲川さんが出演されているのを見ました、現在では怪談家ということで自分で取材されて、創作怪談をやっておられるようです。そうですよね、いくら聞いた話でも無尽蔵に怖い話がある訳ではありませんからね。

でも、昔の稲川さんの話は本当に怖かった「擬音」とか、そういう技術的なことではなくて、本当にこの人は”存在”を知っているというか、そうしたものに好かれているというか、私にとっては説得力のある存在だったのです。今年は、近所の市民センターに見に行ってみようかと思います。

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