秋風が吹き「放生会」の季節、博多の屋台は元気にしていますか?

博多では「博多どんたく」「博多山笠」と春から夏にかけての博多の大型行事が終了し、9月には3大行事を締めくくる「筥崎宮放生会大祭」が行われます(9月12日から1週間)。開催される筥崎宮では500を超える露店が出店し、その賑わいは壮観です。その様子は「なしもかきも放生会」と言われています、これは秋に実る「梨も柿も」に、博多弁の「なして?(どうして?)」に引っかけた一種のダジャレです。「だってもヘチマもない!」に近いニュアンスだと思います。何を食べてもおいしい秋の博多、放生会へは出かけてみたいものです。

そんな博多の話題で気になるのが「屋台」です。先日も博多華丸・大吉さんがテレビに出演して、その素晴らしさをアピールしていましたが、福岡市では屋台を営業する店主側とルールを強化して屋台管理を厳しくしようとしている福岡市側との間で軋轢が生じています。博多の屋台は戦後に引揚者や戦災者が開業したもので、戦後直後には連合国軍総司令部(GHQ)から全面廃止の圧力を受けながらも、経営者たちが組合を結成して国と交渉して営業を認めさせてきた歴史があります。

最盛期には400軒を超える屋台が営業していましたが、経営者の高齢化に伴い「名義貸し」が増加します。一時、高額で営業権が譲渡されていた時期もありました。また「街を汚す」と言った周辺からの苦情も絶えず福岡市は2000年に屋台指導要綱を施工し、経営者は一代限りとするなどのルールを決めました。

しかし、減少が続き観光資源でもある屋台の存続が危機に直面しているとして、福岡市は平成13年に経営者公募や営業適正化のルールを定めた福岡市屋台基本条例を制定します。条例に基づき14年に名義貸し屋台を3年の猶予後に原則許可取り消しとするした上で、16年に公募を実施しました。福岡市内の屋台の数は、2月1日の時点で116軒となっています。

かくして公募が行われ不正問題が発覚する

福岡市は屋台基本条例に基づき、2017年3月末で営業期限切れとなる名義貸し屋台28軒の新たな経営者を募集しました。これに対し108軒が応募、選定委員会の審査をを経て28軒が合格となりました。しかし合格者のうち6人が選定委員と事前に接触し応募書類の添削や助言を受けており、選考に不正があったとして福岡市は合格した6人の「合格を取り消す」判断を示しました。空白となる6枠は再選考を行うことになりました。しかし、応募者の中には10年以上、屋台を営業してきて不合格となり屋台を諦めた経営者もおり、今回の選考には大きな不満がでています。

また、屋台基本条例では営業エリアも中州や天神など3地区に限定しており、天神周辺に散発的にあった屋台は廃業せざるを得なくなっていた。こうした地区の経営者も公募には参加しており、不正が明るみに出て言いようのない怒りを覚えている経営者も少なくない。

生活者の視点から見れば規制強化も止む無し

「屋台がなくなると寂しい」確かにそうなのですが、屋台を営業してきた経営者側が”正しい”とは言い切れません。移動式店舗である屋台は、常設の電源や水道がなく簡易調理可能なものだけにメニューが限定されます。しかし、実際には”刺身”などの生モノを提供している店舗も見受けられます。また、トイレの設備がないため周辺の周辺の商業ビルなどの設備を使わせてもらうことになります。

屋台出店エリアが商業地区等に限定されたのは周辺の生活者に配慮してのことだとも考えられます。確かに屋台が定位置で使う場所周辺では調理に伴う臭いの問題や酔客の話声が騒がしかったりと周囲への影響は免れません。また、屋台出店に関しては道路占有使用(行政、警察)衛生(保健所)飲食店運営(行政)等々、多くの公的機関との調整が必要です、それなしにはお客の安全確保など、基本的なことがクリアされないからです。

観光のための「屋台」は寂しいけど、それはそれで

福岡市は「観光資源」としての”屋台”と言いますが、目的が変われば内容も変わっていくのが常です。私は「イタリアン」や「フレンチ」の屋台に行きたいとは思いません、夜中から早朝に働く市場の人などがかき込んで行く、寒い日に一杯ひっかけて行く、そんな屋台が好きです。時代が変われば形態は変わっていくものです、無理して屋台の風情などと追いかける必要もないのではないでしょうか。

博多にはうまいものがいっぱいあります。もつ鍋、焼き鳥、水炊き…屋台から常設店舗の経営者に成られた方も多いです。確かに費用はかかりますが、その分は客から取ってください。私たちは客として、その維持費分を乗っけて支払います。屋台じゃなくなっても、そのスピリッツは変わっていないのですから、それを支えて行くのが客というものではないのでしょうか。放生会の帰りに立ち寄るのが『屋台』でなくても別に大丈夫です。でも、屋台の皆さんも頑張ってください。

 

参考記事

〇「博多の屋台はどうなっていくのか?…」

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