ラスベガス銃乱射事件は「パニック・イン・スタジアム」を見るような非現実的な臭いがした。

10月1日夜、米西部ネバダ州ラスベガスで事件は起きました。銃が乱射され多くの死傷者が出ています、ラスベガス警察によると58人以上が死亡。負傷者は500人を超えています。被害者の多さで、近年で最悪の乱射事件となりました。警察によると容疑者は近郊に住む白人男性で、警察の突入とともに自殺。これまでに逮捕歴はまったくなく、警察との接触もなかったそうです。

ラスベガス警察の発表によると、近郊在住の白人男性スティーブ・パドック容疑者がマンダレイ・ベイ・ホテルの32階から、大通りのラスベガス・ストリップで開かれていたカントリー音楽の音楽祭会場に向けて自動式の銃を乱射しました。容疑者は警察が突入する前に32階で死亡しました。また、音楽祭には約2万2000人の観客が集まっていました。

ドナルド・トランプ大統領は2日午前11時にホワイトハウスで「同胞であるアメリカのみなさん」と呼びかけ、乱射事件に関しては「正真正銘の悪の行為だ」と非難をしました。大統領は被害者や遺族をいたわり、救急活動を「奇跡的」だと賞賛し、銃撃犯をただちに発見した警察を高く評価しました。大統領はさらに「どんな絶望も一条の希望で軽くすることができる」と国民を励ましました。

コンサート会場にいて事件を目撃した40代の男性は、ABCテレビなどの取材に「3回銃声が耳元で聞こえ、いっしょにいた友人が胸を撃たれた。銃声が耳から離れない」と振り返る。この男性らは事件発生直後、しばらく恐怖に怯えてコンサート会場のステージの下に隠れていましたが、重症の友人を運ぶために外に逃げ出しました。別の目撃者は「銃声は永遠に続くようだった」と語っています。

なぜ、アメリカ国内では銃を使った事件が繰り返されるのでしょう?そこには日常的に”道具”として銃が存在する現実があります、日本では到底考えることができない銃に対する認識があることを知っておかねばなりません。

すぐに思い出したのは映画「パニック・イン・スタジアム」でした

今回の事件に関するニュース報道を見て、すぐに思い出したのが「パニック・イン・スタジアム」という映画でした。日本で公開されたのは1977年、40年も前の映画です。内容は『日曜日、アメリカンフットボールのプロ・チーム、ロサンゼルス・ラムズ対ボルチモア・コルツの試合のため満員のロサンゼルス・メモリアル・コロシアムに、ライフルを持った謎の狙撃手が潜入。そのことを知ったロサンゼルス警察とSWATが阻止しようと動き出しますが、試合終了の間際に犯人は観客席に向かって銃を乱射する』というものです。

大勢の観客が集まったイベント会場(今回は音楽祭)が「スタジアム」であったり、シチュエーションの違いは多少ありますが話の展開には似たものを感じました。思い出した最も大きな点は主演していた俳優さんが”チャールトン・ヘストン”であったことです。彼は全米ライフル協会の会長であったことでも有名でした、2002年に公開されたドキュメンタリー映画「ボウリング・フォー・コンバイン」で監督のマイケル・ムーアにインタビューを受け、当時問題となっていたコロンバイン高校銃乱射事件後のコロラド州デンバーでの全米ライフル協会会議について問われると、何も言わずに退席しました。

同会の会長は本来2期までだったのですが、ヘストンは5期を務め減少を続けていた会員数を500万人近くにまで増大させて、アメリカ合衆国大統領選におけるジョージ・W/ブッシュの当選や2002年における共和党中間選挙勝利に貢献し、協会の影響力を増大させました。

「武器を所持して携帯する権利」を主張し擁護する人がいる限り乱射事件はなくならない

全米ライフル協会は1971年に設立されています。立ち上げに参加したのは南北戦争に勝った北部出身者、銃販売業者や銃愛好家などです。アメリカ合衆国憲法修正条項第2条に定められた「武器を所持し携帯する権利」を根拠に、銃規制に反対しています。銃愛好家による市民団体と自称していますが、事実上は圧力団体として銃の規制に大きな影響力を持っています。

全米ライフル協会は、豊富な資金を元にアメリカ議会に強い影響力を持っています。バラク・オバマ大統領は銃規制推進に熱心でしたが2015年6月19日のインタビューで「議会で全米ライフル協会の支配力は極めて強い」と語り、銃規制強化に悲観的な見方を示していました。そうなのです「銃を持ちたい人たち」が政治に圧力をかけて規制強化をさせないのです。

どうすれば銃の悲劇を無くすことができるのか?答えは簡単です「銃を持つことを禁止」するのです。しかし、現在のアメリカ国内では利害関係から規制強化ができないのは前述のような団体の存在の1因となっています。事件が繰り返されるたびに大統領が”哀悼の意”を表し、世界が銃規制を求めるが空しくスルーされてしまう状態はいつまで続くのでしょうか。1日も早く、アメリカ国内から民間人の扱う銃がなくなることを祈っています。

 

■参考記事

全米ライフル協会会長だったチャールトン・ヘストンをご存知?

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