葉問と書いて”イップ・マン”彼はブルース・リーの師匠であり詠春拳の伝承者であった。

詠春拳をご存知でしょうか?欧米では太極拳に次ぐ人気を誇っているとも聞きます。かつてブルース・リーが自分の拳法である「截拳道」の基礎とした拳法として有名であり、そのためか欧米では修練する人が多いようです。日本ではあまり聞かない流派ですが、これは香港で詠春拳を広めた葉問(イップマン)が「日本人には教えるな」と言ったことが原因だとされています。この葉問(イップマン)こそが、ブルース・リーの師匠であり詠春拳葉問派の統領なのです。

葉問に関してはドニー・イェンを主演した映画「イップマン 序章」(2008年)「イップマン  葉問」(2010年)「イップマン 継承」(2015年)を見ていただければ、どんな人物であったかはよくわかると思います。私自身もこの映画シリーズでイップマンを知ることができました。「イップマン 継承」に関しては今春の日本公開で、最近DVDが発売されたので「TSUTAYAでみかけた」という方もいらっしゃるでしょう。

私も第3章となる”継承”に関しては数日前に見たばかりです。映画の話なのか葉問の人間に関しての話なのかということになると、武道家としての葉問に関しては日本国内で見ることが出来る資料は少なく、あまり掘り下げることが出来ないため人物の外郭を説明した後、ドニーイェンの「葉問」に関して語ることにしましょう。

中国の武闘ものでよく見かける「道場」。日本でもお馴染みの剣術道場的なもの、中国でも日本と同じように武芸を教える道場がたくさんあって、人気の流派になると街の名士として扱われたようです。葉問は本名を葉継問、広東省南海人です。葉一族は仏山では桑畑や綿花畑、製紙工場などを経営しており、裕福な家の次男として生まれました。1904年の詠春拳入門時、師である陳華順は54歳、葉問は11歳であり、陳華順にとって最晩年の弟子にあたります。葉問は直接武館には通わず、葉気の祖師堂に師を呼んで銀1両半で米60kgが買えた時代に、月額銀8両という高額な月謝を支払って個人教授を受けていました。

1909年、16歳の葉問は香港に留学。赤柱に現在もある「聖士提反書院」で、科学に興味をを覚え外国語や数学など勉学に勤しみました。留学の間は詠春拳の練習を中断せざるを得ない状況でしたが、詠春拳の基本の型である小念頭、尋橋、標指という3つの套路を制定したといわれる梁贊の実子梁壁と出会い、留学期間中も詠春拳を稽古する機会を得ます。1918年、仏山に戻った葉問は警察官の職についた後、張永成と結婚して7人の子女をもうけます。

1937年、日中戦争が始まると葉家の財産は日本軍に接収され邸宅は日本軍の司令部となり、裕福な暮らしを送っていた葉問は45歳で財産を失い家族と共に仏山を離れました。1941年、48歳の時には友人の周清泉の息子周雨耕をはじめ7人に初めて詠春拳を教えることになります。長男葉準の回顧禄によれば、父葉問は助けを請わない人間だったが他人を助ける人だったといい、息子だからと武術を無理強いすることはなかったそうです。

1949年に国共内戦が激化し国民党の要職にあった葉問は危険を避けるためにマカオ経由で香港に逃亡します。以降、葉問は79歳で永眠するまで香港で詠春拳を広める事に尽力します。1953年には後のブルース・リーこと李小龍が入門、5年間葉問のもとで修業しました。

文章では伝わらない世界がありますのでDVDで詳細はご覧ください。

引用 映画「イップマン」

イップマンは裕福な家に生まれ、武芸の師を家に呼んで極意を教えてもらい日本軍や共産党に翻弄されながらも香港に逃亡、余生を詠春拳の普及に努めた。というのが流れです。その間、中国の他派の武術・日本軍・英国領事館関係者などと闘う姿が映画化され人気を博しました。

それが、映画「イップマン 序章」(2008年)「イップマン  葉問」(2010年)「イップマン 継承」(2015年)のイップマンシリーズです。2013年にはハリウッドでも有名なウォン・カーウァイ監督による「グランド・マスター」も制作され、映画によって葉問の生きた時代と、その姿が広く知られるようになりました。

私たちが知っている”功夫”(中国武術)はブルース・リー以降と言ってよく、大きな足技を使ったり派手な技を連想します。しかし、実際の詠春拳は実践的なもので接近戦で短距離で打ち合う技が大半で、大きく足を振り上げて相手を蹴るような技はありません。また、その打つ速度の速さは驚かされます。ブルース・リーが自身の道場の宣伝のためにデモンストレーションを行ったときによく使った『1インチパンチ』は詠春拳の技を応用したものです。

イップマンシリーズはどの作品も面白いです。イップマンの「人間」と詠春拳の「技」を見事に表現しています、私が推奨するのは3作目の「継承」です。晩年のイップマンを描いているのですが、彼の妻に対する愛情が見る者を泣かせます。また『正統』詠春拳の争いを軸にストーリーが進みますので、詠春拳がどういう拳法なのかが良くわかります、アクションは折り紙付きの出来です。秋の夜長、シリーズで3作見られてはどうでしょう、久しぶりに香港映画に浸れますよ。お薦めです。

 

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