甲子園球場を守る阪神園芸のプロの技、それは野球を愛するすべての人たちのため。

10月15日のセ・リーグのクライマックスシリーズ第一ステージ2戦目(阪神・DeNA)は甲子園球場も内野が全面水浸しの中行われました。解説者も「長い間野球見て来たけど、初めて見るわ」と言うほどの状況でした。レギュラーシーズンであれば、まず試合前に中止が決まっていたグランドコンディションでしたが、クライマックスシリーズという特異な性質が生み出した特別な状況でした。

そして昨日10月17日の甲子園球場、クライマックスシリーズファイナル。試合結果は6対1で横浜ベイスターズの勝利・優勝で決着しましたが、試合前のグラウンドで俄然注目を集めたのが『阪神園芸』の姿でした。1勝1敗で迎えた最終対決、少しでもいい状態で戦いをフォローしようと奮闘する『阪神園芸』スタッフの姿は多くのマスメディアで紹介されました。

雨は昼前に上がりました、予報ではこの後に再度降ることもないようでした。正午過ぎ『阪神園芸』の職員9名がグランドに出てきます、内野は、まるで泥田のように水浸しの状態で試合を続けた15日の第2戦から手はつけらていません。職員たちは内外野の境目付近にできた水たまりに白いパックをいて水を吸い取り始めました。そしてシートをはがされたマウンドと打席の土も入れ替えました。多くの土はたっぷりと水を含んでおり、ひどいところはスコップで取り除き、滑り止め用の白い砂を撒いてトンボで平らにしていきます。

こうした水取、土の入れ替え、滑り止め撒き、の作業を繰り返すこと約1時間。内野の水溜まりは消えていました阪神園芸の担当者は「悪条件は経験しているので悩むほどではない。これから、まだいい条件に持っていきたい」と笑顔で語った。作業労力的には今年8月の第99回 全国高校野球選手権大会の初日に一時的に大雨が降り、試合が中断した時のほうが大変だったそうです。

「阪神園芸」のスタッフは甲子園でプレーする”野球を愛する人”すべての為にグランド整備を行っています。プロのためだけではなく、高校生のためでもなく、野球をする者、野球を見るもの、すべての人たちの最高のステージを提供するために頑張っているのです。プロの仕事は何であれすばらしいものがあります、甲子園に来た球児たちが、甲子園の土を持って帰る”意味”は十分にあると思います。

地味なようで日本のプロたちの仕事は”すばらしい”

テレビに映る場所を整備するような仕事であれば目立つことも考えられますが、あまり人目に付くことも話題になることもないのに、驚くべき職人技が発揮されて人々の暮らしを助けている例もたくさんあります。

東日本大震災の際には陥没した高速道路を数日で復旧し、世界的な話題となったことがあります。そうなんです、ニュースを見ているとまるで巨大ロボットがやってきて「ちゃちゃちゃっと」やったように見えるのですが、実際には大勢の人たちが現場で働いていたのです。福岡市博多駅前の道路陥没も凄かったですね、これは中心市街地であったことや対策本部長が市長であったことなどからテレビで修復の状況が刻々と伝えられました。しかし、世界中どこを探してもこんなことが出来る国、いや”職人”を持った国はありません。

見ましたか10月15日の甲子園の惨状を、ラグビーやサッカーだってあんな状況ではやらないのではないでしょうか。17日の『阪神園芸』のグランド整備には涙が出ました。プロとしてプレーする人たちは、自分たちを支えるこうした別の分野のプロの仕事を知っているから頑張ることができるのでしょう。ありがとう日本の職人さん!

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