老いも若きも今夜は見よう冒険映画の金字塔「レイダース/失われたアーク」を。

引用 レイダース/失われたアーク

「文句なしに面白い」と思った映画はこの映画でした。私はまだ大学生でした、福岡の映画館で見たのを覚えています。映画音楽の巨匠ジョン・特に今夜放送となる「レイダース/失われたアーク」はインディ・ジョーンズシリーズの原点にして第一作となる作品です。この映画が制作された1981年当時、製作総指揮のジョージ・ルーカスは37歳、監督のスティーブン・スピルバーグは34歳と共に若く働き盛りの時期でした。この映画が生まれたきっかけはルーカスが「スター・ウォーズ」を監督した後、興行的に失敗するのではないかと不安を感じてハワイに逃げ出したところ、「未知との遭遇」の撮影が終了して休暇を取っていたスティーブン・スピルバーグが合流。「007シリーズ」のような作品を作りたいというスピルバーグに「それなら」とルーカスが明かしたのが、この「アーク」のストーリーだったのです。製作はルーカスフィルムで行い、ハワイから帰った半年後にスピルバーグに監督を正式依頼、スピルバーグは監督を引き受けました。

「失われたアーク」物語の冒頭、南アメリカの森からホビット族の追撃を受けつつ盗掘したゴールデンアイドルを持って脱出するシーンから始まります。感覚的には「007」の冒頭、ショートストーリーの部分といっしょです。ハワイでスピルバーグが語った「007」みたいなが見事に作品に反映されています。ルーカスもスピルバーグもこの映画を「コミック」のような作品にしたいと思っていたそうです、この「コミック」というのは、それまで映画で表現することが難しかった新しい境地と言えるでしょう。確かに本作の展開はジェット・コースターのような抑揚とスピード感に溢れ登場人物のキャラクターは単なるヒーローではなく、ユニークな味があります。

スピルバーグとルーカスがいなければできなかった映画ですし、これからも作ることのできない1本だと思います。その位置づけは「ベン・ハー」に匹敵するのではないでしょうか。アカデミー賞史上最多の賞を受賞し映画史に残映画「ベン・ハー」、この作品の脚本を使って現代の監督が同じ作品を製作したとしても、当時のものを上回ることはできないと思います。そのくらい、すべてにおいて飛び抜けた作品だったのです。そして、この「失われたアーク」もそうです、冒険活劇映画としては飛び抜けた存在です。

使われている技術や笑いのツボが秀逸

引用 レイダース/失われたアーク

私の記憶する限り「マット・ペインティング」の技術を使った大掛かりな映画を見たのはこの作品が最後でした。インディがアメリカを発つ際に乗る飛行艇、追跡シーンで転落する崖、ラストの薄暗い倉庫などに「マット・ペインティング」が使われていました。一番わかりやすいのはエンディングの倉庫シーンで信じられない大きさの倉庫の奥深くまで多くの木枠に収まった荷物が積まれている様子です。これは大きな壁面に奥行きを出すためのペイントを施す技術で全盛のハリウッド映画では多用されています、CGが発達した現代ではお目にかかることはありません。

またキャラクターの設定や、ちょっとしたギャグにもセンスを感じます。主役は当初トム・セレックが予定されていたそうですがテレビ仕事が忙しくて出演できず、”ハン・ソロ”役でしか知られていなかったハリソン・フォードがルーカスの推しで主演することになりました。全体を通して当時の人気大物俳優が出演していないのもヒットの理由かもしれません。実際のところ製作費も中規模の作品程度で世界的なヒット作を作るなどという意気込みはなかったようです。

その証拠にアクションシーンでも「カッコよく鞭を使う」シーンがあったと思うと銃で片づけたりと、随所にルーカスとスピルバーグの思うコミック要素が散りばめてあります。彼らが作りたい冒険活劇だったのです。アメリカの子供たちが焚き火にマシュマロをかざしながら映画に関する質問をする場面を見たことがあります、あれと同じようにルーカスとスピルバーグが楽しみながら作った作品がこの「失われたアーク」なのです。

ですから、これから同じような作品が作られることも有りませんし、見ることも出来ません。さあ、今夜は老いも若きもルーカス&スピルバーグの一大冒険活劇「レイダース/失われたアーク」を見ましょう。

 

 

 

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