「民衆の敵」で巻き返しなるのか、かつての「民放の雄」フジテレビ。

テレビ放送そのものが始まったのは1953年、NHKが2月に本放送を開始したのが始まりです、続いて民放として日本テレビが8月に開局、同局が関東地方全域に街頭テレビを設置して普及に努めました。日本テレビの開局に伴いテレビコマーシャルの放送も始まり、第一号は精工舎(現・セイコーホールディングス)の時報(正午、夜7時の2回)でした。

私が生まれたのは、テレビ放送が始まって10年が経過する第一回 東京オリンピックの頃です。私たちの世代は「テレビ世代」と言われました。高度成長と相まってテレビ番組の内容が充実し、テレビコマーシャルが盛んな時代に成長したからです。

白黒のテレビ画像からカラーへの切り替えの時期でもありました。若い方たちには想像もつかないだろうと思いますが、カラー視聴用の番組というものが作られ画面の右上に「カラー」の表示が出るのです。カラーテレビを持っていてもこの「カラー」マークが付いた番組だけが色付きで視聴できる番組だったのです。今から考えると変な状況ではありました。

私たちの頃はテレビ放送があったことで「報道番組」をLIVEで見ることができるようになりました。浅間山山荘事件、よど号乗っ取り事件、アポロ11号の月面着陸など、日本国内に限らず世界中の出来事を茶の間に居ながら見ることが出来たのです。今でも、その記憶は鮮明です。

私たちは「とんねるず」と年齢的に変わらないので、彼らが台頭するくらいからバラエティ番組の視聴も増えていきます。勿論、秋元康の「おニャン子」もターゲット世代としてハマっていました。そんな私たちにとって8チャンネルは「民放の雄」であったような気がします。テレビの視聴時間の長い世代として、テレビ番組の変遷の中で育ってきた私たちがフジテレビを支持したのは当然だったと思っています。

かつては視聴率民放首位だった黄金期のフジテレビ

このところ低迷の情報ばかりが先行するフジテレビ関連の報道ですが、80年代から90年代のはじめにかけては、民放では視聴率首位の座を獲得し「楽しくなければテレビじゃない」のキャッチフレーズで知られていました。

みなさんの記憶に残る番組もたくさんあると思います。まずは人気枠の月曜9時、先般終了した「コード・ブルー3rd season」が放送されていた時間帯です。数々の名作を生みだしています。視聴率順に見ていきたいと思います。

10位「プライド」(木村拓哉、竹内結子、平均視聴率25.1%)2004年1月
9 位「教師びんびん物語Ⅱ」(田原俊彦、野村宏伸、平均視聴率26.0%)1989年4月
7 位「やまとなでしこ」(松島菜々子、堤真一、平均視聴率26.4%)2000年10月
7 位「素顔のままで」(安田成美、中森明菜、平均視聴率26.4%)1992年4月
5 位「あすなろ白書」(木村拓哉、石田ひかり、平均視聴率27.0%)1993年10月
5 位「ひとつ屋根の下2」(江口洋介、福山雅治、平均視聴率27.0%)19997年4月
3 位「ロングバケーション」(木村拓哉、山口智子、平均視聴率29.6%)1996年4月
2 位「ラブジェネレーション」(木村拓哉、松たか子、平均視聴率30.8%)1997年
1 位「HERO」(木村拓哉、松たかこ、平均視聴率34.3%)1997年

まあ数字は比較でしかわからないものです。先般終了した「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SESON」の平均視聴率は16.4%でした。歴代10位の「プライド」と比較しても5%近く低い数字だったのです。それでも“大成功”の数字として取り上げられ、映画化まで企画されています。

バラエティの再編成が話題となっていますが、ドラマ部門に関しても同様の波が来るかも知れません。現在放送中の『民衆の敵』、初回放送は10月23日。衆議院議員選挙公示期間中にあたることから、放送開始を23日に延期したことで放送前から話題となりました。しかし、この決断は最悪の結果となりました、というのは投開票日の23日には台風21号が襲来、選挙よりも台風情報が優先される事態となり、選挙そのものに盛り上がりがみられませんでした。

こうした状況下で選挙ベースのドラマの初回放送が行われたことが、そもそもの失敗と言われています。その平均視聴率は9.0%、視聴環境に「台風」等の問題があったにせよ、出だしにしては不安な数字でした。この結果に「ストーリーがポンコツすぎる」「なんのための政治の話」「面白くない」と辛らつな感想が聞かれます。

もう一度月9「BEST10 」に戻りますが、どうでしょう。何か感じませんか、10作中5作に木村拓哉が主演しているのです。当然、その期間中彼らのバラエティ番組「SMAP SMAP」も放送されていました。時代なのです、特に90年後半から2000年代にかけてSMAPが安定した人気を得ていた時代です。他のバラエティ番組に関しても同じことが言えます、とんねるず、ナインティナイン等、時代に沿ったタレントが人気を得た時代だったのです。

そして今のフジの低迷、時代に置いて行かれるメディアの姿を露呈しています。時代をリードしてきたメディア企業が時代に置いて行かれているのです。巻き返しを行うにはどうするのか?バラエティで「大ナタ」などと言われていますが、根本的な問題は“会社”にあるのではないでしょうか、「面白い」とフジが思っているものが視聴者には「面白い」と思えなくなってきているのです。では、どうするのか。『おもしろいものを作れる人達』で会社をまわしていくしかないのではないでしょうか?どうでしょう。

 

 

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