「低血糖」で運転し死亡事故って、そもそも『低血糖』って何?

血糖値とは血液内のぶどう糖の濃度のことです。健康な人の場合には、空腹時の血糖値はおおよそ80~100㎎/dl程度になります、食後は若干高い値を示します。人の血糖値は、血糖値を下げるインスリン、血糖値を上げるグルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンといったホルモンによって、非常に狭い範囲の正常値が保たれています。

体内にあるぶどう糖はエネルギー源として重要である反面、高濃度になってしまうと糖化反応をを引き起こし微小血管に障害を与え生体に有害になります。このため、インスリンなどにより、その濃度が常に一定範囲に保たれているのです。血糖値の濃度は、血糖値を下げるインスリンと血糖値を上げるグルカゴンの作用によって調節されています。

高血糖
血糖の上昇に対する防御機能を、ほとんどの動物は備えていません。人間の場合健康体の人は糖質1gで1㎎/dlの血糖値の上昇が生じ、2型の糖尿病患者の場合には糖質1gで3㎎/dl上昇します。例えば糖分たっぷりの清涼飲料やアイスクリームを毎日、大量に摂取し続けると急性の糖尿病(ペットボトル症候群)になります、そのまま進行すれば2型糖尿病を発症してしまいます。

血糖値が高くなるのは、それを調節するインスリンの分泌が破綻したときです。インスリンが分泌されていても血糖降下作用がうまく働かない場合もありますが、大半はインスリンの分泌低下によります。

低血糖
極度に食事を摂らなかったり、糖尿病の薬を飲み過ぎた場合などに低血糖を起こします。人体には低血糖に対しては高血糖と比して多くの回避システムが備わっています。
1. 血糖値が約80㎎/dlを下回ると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極端に低下します。
2. 約65~70㎎/dlに低下すると、血糖値を上げるホルモンであるグルカゴン、アドレナリンが大量に放出され始めます。
3. 約60~65㎎/dlに低下すると、3番目の血糖値を上げるホルモン、成長ホルモンが放出されます。
4. 最後に60㎎/dl以下になると、最後の血糖値を上げるホルモン、コルチゾールの分泌が亢進します。
ここでポイントになるのは高血糖に対して低血糖には何重にも低下防止のための備えがしてあるということです。

「低血糖」で意識を失くして事故を起こしてしまう状態とは

18日、青梅街道で糖尿病による低血糖で意識障害に陥った男性が運転する車が交通整理中の警備員男性を死亡させる事故を起こしました。容疑者の男性は糖尿病を患っており、血糖値を下げるインスリン治療を受けていました。取り調べでは「過去にも血糖値の低下でもうろうとしたことがある」と供述しており、この日は昼食前に注射をしたと説明しているといいます。

低血糖の低下には段階的な症状があります。
血糖値70 ㎎/dl以下になると 空腹感が現れ、動悸・震え
血糖値50 ㎎/dl以下になると 無気力、倦怠感、計算力の減退
血糖値40 ㎎/dl以下になると 発汗(冷汗)、動悸(頻脈)、震え、顔面蒼白、紅潮
血糖値30㎎/dl以下になると 意識消失、異常行動
血糖値30㎎/dl以下になると けいれん、昏睡

事故を起こした容疑者は血糖値30㎎/dl以下の状態だったと推測されます。恐らくは糖尿病の薬を多く摂り過ぎたのでしょう。冒頭で説明したように、正常な血糖値の値は非常に狭い範囲にあります。

昨年の厚生労働省の調査では「糖尿病が強く疑われる者」の数は1,000万人と推計されています。日本人の総人口数が約1億2700万人ですから、約8%が糖尿病と言うことになります。低年齢の人間は1型の糖尿病が考えられますが、生活習慣病から来る2型を考えると、成人男性の多くが糖尿病の危険を抱えていることになります。

その糖尿病の治療のために薬を使用して、今回のような事故が起こっているのです。蔓延していると言っても過言ではない「成人病」が個人の問題ではなく、社会に影響を及ばす時代になってきたのです。他人に迷惑をかけないためにも、自己管理はしっかりとやっていきたいもです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA