テレビが映らないという不安、現代ではそうでもないのか石川県で2テレビ局で放送中断。

私は物心ついたころからテレビを見て来たので「テレビが映らない」というのはテレビ本体の故障以外には許せない人間です。育った地域は山間部だったので風雨や豪雪によってアンテナの状態が悪くなって見れないということは何度かありました。この時は、この世が終わったかに思える心境でした、常に流れていなければならないテレビの電波が途絶しているのです、番組が見れれないということではなく、それ以上の不安があったような気がします。

石川県内にあるフジテレビ系列の石川テレビとTBS系列の北陸放送で10日午後7時過ぎから県内の広い範囲で放送が中断しています。金沢市の消防局によると金沢市観音堂町にある石川テレビ敷地内の電波塔から出火した模様、現在は消防活動中ということです。出火原因は明らかになっていませんが、落雷が原因と見られているようです。石川テレビの公式サイトでも「視聴者の皆様には、ご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。原因は只今調査中です」としています。また北陸放送でもツイッターで「現在、県内の広い範囲で映像と音声が中断しておりお詫び申し上げます。復旧までしばらくお待ちください」とツイートしています。石川テレビと北陸放送は同じ電波塔を利用しているのです。

でもよかったですよね、これが北朝鮮からの突然の侵攻でテレビ2局がジャックされたとかいうことではなくて、テレビが停波状態であっても系列のラジオ局やコーポレイトサイトで公式な情報を流すことが出来るので、大きな騒ぎにはならずに良かったと思います。これも情報の伝播形態が変わってきたためテレビの比重が落ちて来たことの現れなのかもしれません。

オーソン・ウエルズの『火星人襲来』をご存知でしょうか?

アメリカの俳優で監督のオーソンウエルズは1938年にラジオでH.G.ウエルズのSF小説「宇宙戦争」を舞台をアメリカに置き換えて放送、始まりが臨時ニュースの形式を取ったために聴取者からは本物のニュースと間違われ、パニックを引き起こしました。公共の電波の及ぼす影響の大きさが証明されたエピソードとして有名です。

石川県内での停波が1930年と言わず、1980年代だったとしたらどうでしょう。かなり大きな影響が出ていたのではないかと思います。第一に電波塔の火災を見ていなければ、その原因が推測できないわけですから、多く憶測やデマを呼んだのではないでしょうか、それこそ『日本海から北朝鮮が攻めてきて、既に金沢市内は占領されつつある。テレビ局もジャックされているらしい』などと言った話が出ないとも限りません。

平成30年現在、テレビ局2局が停波してもそれほどの社会的な影響はないようです、楽しみにしていた番組が見れないといった不自由は有るかも知れませんが、情報が欠乏して不安を覚えるようなことはないということです。いかにSNSの時代になったかを実感させられる状態です、試しに全局の電波を停めてみてはどうでしょうか、別に地域はどこと限定しているわけではありません。

地上波が王様だった時代が終わったのかもしれません、ひと昔前であれば『停波』は大事件になっていたはずです。周辺が冷静に対応しているということは十分だとは言わなくても、騒ぐ必要がない程度に情報が広まっていることを意味しています。会社で良く言われることです「○○さんがいなくては仕事は回らない」しかし○○さんが休んだり、いなくなっても組織は何とかその穴を埋めて回っていくのです。○○さんの存在は絶対ではなかったということです。○○さんは地上波になりつつあるのではないでしょうか。

今後、地上波がどう推移していくかは予想もできませんが、かつての高視聴率バラエティ番組の終了や恒例歌番組の低視聴率、『テレビ』というもののあり方が変わってきたのかもしれません。その存在の本当の価値は”非常時”にこそわかります。

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