第90回 アカデミー賞ノミネート作品発表されるクリストファー・ノーランの「ダンケルク」頑張れ!!

1月23日、第90回アカデミー賞のノミネート作品が発表されました。最多ノミネートとなったのはギレルモ・デル・トロ監督の「シェイプ・オフ・ウォーター」の13部門、次いでクリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」が8部門で追随しています、ギレルモ監督は「パシフィックリム」で日本でもお馴染みの監督ですがノミネート作品に関しては、まだ日本未公開のため何とも言えません、見た作品の中では「ダンケルク」が私の2017年の最高評価作品です。

「シェイプ・オブ・ウォーター」はファンタジーロマンスということですが、私が「ダンケルク」を押す第一の理由は”戦争映画”だからです。かつて多くの戦争映画が作られてきました「史上最大の作戦」(1962年/アカデミー2部門受賞)「遠すぎた橋」(1977)「プライベート・ライアン」(1998年/アカデミー4部門受賞)、たくさんの作品がある中でアカデミー作品賞に輝いた『戦争映画』はないのです。

厳密にヒューマンドラマを含めて戦争映画を定義した場合には該当作があるのかも知れませんが、大規模な戦闘シーンを柱に構成された「戦争はこんなものです」って歴史の一部を切り取ったような作品が「作品賞」を取った記憶がないのです。その点、この「ダンケルク」は実際の連合軍撤退作戦を映画化したものであり、カテゴリー的には純粋な「戦争映画」と言えるものだと思います。

古い戦争映画になるほど史実に基づいた「作戦」の全容をを紹介するものが多く作られています。「史上最大の作戦」はその名の通り、連合国軍のノルマンディ上陸作戦を描いたものですし「遠すぎた橋」では連合国軍の空挺作戦であるマーケット・ガーデン作戦が描かれています。こうした映画では”作戦”をストーリーとしてオールスターキャストを用いて製作されていました。しかし、近年では大規模な戦闘における小さな人間ドラマを核に描くような作品も作られています「プライベート・ライアン」などがその一例です、大規模な作戦と裏腹に二等兵の救出に向かう小隊にスポットを当てた作品です。

”戦争”があったことを痛感できる作品であり、今の自分を重ねることもできる現代的なストーリーになっている「ダンケルク」

昨年は「楽しい事はいいことだ!」ということで「ラ・ラ・ランド」を一押しで行ったのですがブラッド・ピット制作総指揮の「ムーン・ライト」

引用 ダンケルク

が作品賞を持っていきました。今年こそは、私の一押し作品がアカデミー作品賞に輝くことを祈っています。その「ダンケルク」ですが、見られてない方に簡単な概要をお話します。まず、第一に言っておかなくてはならないのは「撤退作戦」の話だということです、これまで作られてきた戦争映画にはない切り口だと思います。

また登場する人物は二等兵クラスの兵士が中心で、ただダンケルク海岸からの脱出を考えているだけだということです。軍の船舶だけでは数が足りず民間からの徴用船が大きな力となります、劇中でも親子で英国兵士を救うべくダンケルクに向かう民間人の話が出てきます。そして最終的には撤収したことで物語は終わるのですが、その歴史的出来事に対して英国民は非難するどころか賞賛します。

大きな体制下で追い詰められていく個人「ただひたすらに生きることだけを考える」その姿はあさましく、非人間的に見えるかも知れませんが非常時においては”それこそが人間”なのです。包囲され全滅の危機に瀕して脱出を待つ時、人間はどうあるべきなのでしょう。戦争下であれ通常の生活においてでも『追い詰められる』ことはあることです、ひたひたと近づいてくる恐怖、それを乗り越えて生き抜くしかない自分。といったことでこの映画を推奨します。

戦争が非日常で遠い存在に感じるこの頃ですが「ダンケルク」のような疑似体験的な映画を見ると『戦争』があったことを考えずにはおられませんし、追い詰められていく過程は、今を生きる自分の環境にも置き換えられるのではでいでしょうか。他のノミネート作品がどうのということではありません、私は「ダンケルク」を作品賞に推薦します。

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