中津市耶馬渓町で土砂崩落、前日から地鳴り「注意喚起」か「非難」か難しい判断

引用 毎日新聞

大分県中津市耶馬渓町は、「青の洞門」で有名な山間の小さな集落です。昨夏に豪雨被害にあった朝倉・日田地区と隣接しており、山国川に面して山林が迫る、ほとんど平地のない地域です。かつて菊池寛の小説「恩讐の彼方に」のモデルとなった禅海和尚が托鉢勧進によって掘削の資金を集め、石工たちを雇ってノミと槌だけで30年をかけて掘りぬいたとされる隧道が「青の洞門」です。この隧道が完成するまでは、断崖絶壁を鎖に頼って通行しなければならない難所で、数々の通行人が命を落としていました。このトンネル部分は約144m、大分県の史跡に指定され、耶馬日田英彦山国定公園の域内にも含まれています。晩秋の紅葉時期には多くの観光客が訪れます。今回の崩落現場は、そんな観光地として有名な地域のすぐ近郊で起きました。

崩落は住民が完全に寝ている時間帯に起こった

■崩落が起こったのは午前3時すぎ

大分県中津市耶馬渓町金吉地区で幅約100mにも及ぶ裏山の崩落が発生しました。3棟の住宅が土砂に呑み込まれ、3世帯の住民6名の安否が確認できていません。大分県では自衛隊に災害派遣を要請、中津市は周辺地区の8世帯19人に避難勧告を出しています。大分県の発表によると、安否不明となっているのは、橋本アヤさん(86)▽江渕めぐみさん(52)▽江渕優さん(21)▽岩下アヤノさん(90)▽岩下義則さん(45)▽岩下愛子さん(76)の6名の方々です。

■土砂に呑まれた住宅は埋もれて見えない

大分県警によると、現場は主要道路から山道に入った小集落。崩落に巻き込まれたのは4世帯で、うち1世帯の住人2名は自力で脱出しました。中津市から要請を受けて現場に到着した建設会社の男性によると、4軒のうち3軒は完全に土砂に埋もれた状態だということです。現場は大量の土砂が覆っており、安否不明者の捜索には、かなりの時間が必要とされる見込みです。大分県砂防課によると、現場は土砂災害警戒区域に指定されていました。中津市消防本部によると、現場周辺で雨は降っておらず、崩落の前兆もなかったとしています。

前日に注意を呼び掛けていたという地域の話

■「大きな地鳴り」がしていたという地域住民の話

現場近くに住む住人からは「昨日、大きな地鳴りがしていた」という声がありました、また、正確な話ではありませんが、地元耶馬渓町からも現場地区に対して「注意」のアナウンスがあったということです。中津市は「予兆」はなかったとしていますが、現場周辺では地鳴りがして、異変が生じていたのです。周辺を杉山に囲まれた地域ですから、山が土砂崩れを起こすことは想定されたはずです、山鳴りがする場合には、次の段階で災害が発生しやすいことなど、事前に地域住民に知らせておくべきだったでしょう。

■いつも後悔するのは「避難」されておけばの思い

いつの災害の時にも言われることですが「避難しておけば…」という後悔です。今回も「地鳴り」⇒「地元行政の検討」⇒「念の為の避難」と事が進んでいれば安否不明者が出ることもなかったでしょう。しかし、今回は雨が降っているわけでもなく、地鳴りを崩落の予兆として捉えていいのか、また高齢者の多い地区で夜に避難行為を行うことは、逆に高齢者に負担をかけ問題が出るのではないか、その時点では「避難」という言葉が出てこなかった状況も容易に推測できます。画面を通して見る「避難」は簡単に見えるのですが、実際に現場で非難を行うことは大変なことだと思われます。避難して何も起きなくても、非難しなくて万が一の災害に遭うよりかは絶対に結果良しなのですが、現実問題としてはなかなか難しい面があります。災害時には、いつも考えさせられることですが、もし、周辺で「避難」の判断を必要とされた場合は、いろいろと考えず、すぐに動くことを心掛けたいものです。

 

 

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