海離れしているのに「ナイトプール」や「疑似ビーチ」が流行る今夏。

引用 街画ガイド

私が小さなころは夏=海水浴、海に行くことが最大の楽しみになっていました。しかし、今では日焼けは嫌われ、直射日光の照りつけることの夜のプールが流行りだとか。近い将来「海水浴」は死語となってしまうのか。最近は海水浴を敬遠する小学生が増えています。日焼けを嫌い、海水で体がべとつくのが嫌だというのです。昨夏からは「ナイトプール」と称して都心の便利な場所にあるホテルがプールを夕方から営業、多くの若者がプールに向かいました。海のない東京都立川市では砂を敷き詰めた「タチヒビーチ」がオープン、べーべキューなどを楽しむ人が増えています。

人気を失いつつある海水浴場

■湘南では50万人を超える客を集めたことがある

「レジャー白書」によると1988年に海水浴はレジャーの中で18位でしたが、99年以降は20位をしたまわるようになりました。海水浴客は年々減少の傾向にあり、2011年に1000万人を割ってからは減り続けており、15年には760万人と11年と比較して25%近く減少しました。1980年代、海水浴場の人気は最高潮に達し、夏場の河水浴場は日本全国どこでも人で溢れかえっていました。89年8月14日の読売新聞には、湘南海岸で51万2千人の海水浴客を記録したという記事が掲載されています。湘南サウンドと呼ばれるTUBEやサザンオールスターズらによる音楽が流行ったことも「湘南人気」を煽りました。湘南は避暑地・軽井沢と並ぶ人気スポットとなっていったのです。

■海が敬遠される原因が増えている

海水浴場に対する逆風は既に70年代後半から吹いていたのです。海域への生活排水の流入や海の家が排出する汚水の影響による水質汚濁です。また、夏場の海水浴は国民的な行事になっており、交通渋滞や駐車場の不足なども問題となりました。若い女性らは海外旅行に向かい、国内の海水浴場は敬遠されるようになっていきます。90年代に入ると地球環境への関心が高まり、オゾン層破壊や紫外線による皮膚がんなどへの懸念から日焼けした小麦色の肌を見せるCMが姿を消していく一方で「UVカット」への関心が高まっていきました。「素肌に太陽光線を浴びるとシミになる」「紫外線を一日何時間以上浴びてはいけない」などと囁かれるようになり、海水浴に行くことから遠ざかっていく人たちが増えました。特に母親世代に嫌われ、小学校の臨海学校廃止もあり、子供たちと海との接触の機会が減っています。最近では遊泳区域へのサメの出没なども、海から遠ざかる原因になっています。新たな取り組みも行われ「海水浴」が見直されています。

海水浴が廃れたのはなくて、価値観が変わった

■東京中心部近くでの海水浴が可能に

海水浴は廃れるばかりではありません、最近では海水浴場の復活に向けた新たな取り組みも始まっています。葛西臨海公園の人口干潟「西なぎさ」では、NPO法人「ふるさとの海を考える実行委員会」がカキを用いた海水浄化を行い12年当初は「顔を水につけない」「腰までの深さで遊ぶ」などの条件付きながらも、8月の土・日曜限定で海水浴ができるようになりました。2015年には東京都が海水浴場基準を満たしていると判断、海に入る際の条件も解除され、東京湾で50年ぶりに海水浴場としての海開きが行われました。また、神奈川県内の海水浴場では、一色海水浴場(葉山町)が2017年に「世界のビーチ100選」に選出されました。由比ヶ浜海水浴場(鎌倉市)は、海水浴客へのサービスと質を体系的に評価する国際環境認証としてのブルーフラッグ認証を取得しました。このように河水浴場復活に向けた動きも出てきています。

■求められているのは自然と遊ぶことではなく「自分の時間」

夏の“山や海”といった自然への欲求ではなく、自分の身近で「自分の時間」を過ごすための『ナイトプール』や『疑似ビーチ(タチヒビーチ)が流行りです。自然にあって、自分の時間を過ごすよりも、より身近な環境で“自分の時間”を過ごせる環境を探せるようになってきたのです。今年もナイトプール実施のホテルは増えています「ホテルニューオータニ」「グランドニッコー東京」「京王プラザホテル」「グランドプリンスホテル新高輪」「品川プリンスホテル」「東京プリンスホテル」「ホテルイースト21東京」「ホテル椿山荘東京」など、夜の時間帯に2,000~5,000円の利用料金で行くことができます。また、パリのセーヌ川河畔でも行われていた「疑似ビーチ」は立川市「ららぽーと立飛」の反対側にできました。既にプレオープンしていますが、7月17日よりグランドオープンです。アウトドアで有名な清水国明さんのプロデュースだそうです、入場料無料で中でバーべキューセットを借りたり、カフェバーを楽しむこともできます。ひとときの「異空間」といったところでしょうか。無理に自然を求めなくても身近に“違った空間”を見つけることができるようになってきました、これからの夏の過ごし方が豊かになりそうな予感です。

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