“抱っこひも使用”で1歳児が死亡、でも本当に危ないのは幼児を自転車に乗せること

引用 agle pick

横浜市都筑区で今月、母親が運転する自転車がバランスを崩して転倒、「抱っこひも」を使って胸の前に抱えていた1歳児が頭部を強打して、死亡する事故がありました。自転車の2人乗り禁止の例外を規定した神奈川県道路交通法施行細則で、ひもなどで幼児を抱っこして乗る行為は禁止されていました。神奈川県警は痛ましい事故の再発を防ごうと、細則の周知や順守の徹底を図ることにしています。

事故はこうして起きる、日常に潜む大きな危険性

■自転車の運転に専念できない状態を考える

事故は7月5日朝に発生しました。保育士の母親(38)は、電動アシスト自転車の幼児用座席に長男(2)を乗せ、抱っこひもで次男(1)を胸の前に抱えて運転していました。神奈川県警によると、母親はハンドル付近に傘を提げて走行していたといいます。何らかの拍子に傘が前輪に引っ掛かり、バランスを崩して転倒したと見られています。母親とヘルメットを着用していた長男は無傷でしたが、未着用だった次男は頭部を強打、約6時間後に亡くなりました。子供を2人乗せたままで、傘まで提げていたのですから自転車の運転に注意が十分であったとは考えられません、通常であっても傘を持っての自転車走行はハンドルを取られ、危険な運転となってしまいます。

■胸の前に幼児を抱えることは禁じられていた

道交法細則では、自転車に幼児を乗せる場合、16歳以上が運転することを条件に、幼児用座席を使うなどして2人までの乗車を認めています。しかし、ひもなどを使う場合には、幼児を背負うことは容認する一方、胸の前に抱えることは「ハンドル操作に悪影響を及ぼし、視界を遮る恐れもある」などとして神奈川県警では禁じています。県警は今回のケースについては細則に抵触するとみて、母親を過失致死容疑も視野に捜査を進めています。これまでも細則に関し、幼児のいる父母らにイラスト入りの啓発資料を配布するなどして周知に努めてきました、しかし、今回の事故を受け「さらに浸透するよう努める」(交通総務課)としています。

日常の育児に追われて忘れがちな「安全対策」を常に考える

■まずは、必ずヘルメットを着用するように

抱っこひもによる乳幼児の転落などの事故は、自転車の運転時に限らず散見されています。
消費者庁は「細則で認められているとしても、背負うことを含め安全ではない」と戒めています。その上で、致命傷になりかねない頭部を防御することの大切さを指摘し、「ヘルメット着用で幼児用座席に乗せるのが基本」との見解を示しています。しかし、乳幼児にヘルメットを着用させても、自転車を運転するお母さん方がヘルメットを着用しているのは見たこともありません。前後に乗る乳幼児を気遣うことは大切なのですが、自転車に乗るという基本原則から言えば、転倒の危険を孕む子供との2人、3人乗りをする母親にもヘルメットの着用義務を課すべきです。

■問題は常識を超えた多人数での自転車の運転を止めること

小児科医で同法人の山中龍宏理事長(横浜市泉区)は、事故時のリスクが高いことから「背負うことを含め、ひもなどを使って自転車に幼児を乗せることは規制すべき」と主張しています。その上で「自転車は手軽で便利な反面、ちょっとしたことで不安定になる。誰もがひやりとした経験があるはずで、その教訓を安全運転に生かしてほしい」と話しています。しかし、基本的に自転車に幼児を同乗させ運転することが危険であることは、世間が認める周知の事実です。雨天時などは、前後のチャイルドシートに覆いをかけて、まるで移動する小部屋状態での運転が目につきます。自転車の身軽さとは正反対の装備となっています。幼児を乗せての自転車の運転は全面的に禁じるべきです、警察が例外を認めるのであれば、それに対応した専用の自転車開発をメーカーに指導すべきです。現在の自転車は前後に子供を乗せることを前提に「ママチャリ」を製造しているわけではありません。
危険を承知で認めるよりも、危険を減らす方策をとるべきでしょう。雨の日の幼児を乗せた自転車が、奇怪なビニールの塊となるのは避けるべきでしょう。

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