水道民営化など論外、水質の低下、料金高騰。しかし、それ以前に「簡単に」に水が手に入るという概念を変えねば!

災害に遭って初めて水や食料のありがたさを感じることはあります。しかし、それも1年も過ぎれば忘れてしまうものです、蛇口を捻れば安心な水が豊富に出てくる、それが当たり前だと思っているのではないでしょうか。水資源が豊富な“日本”と思われていますがそれは供給のためのインフラシステムが整備されているからです。地方の農村へ行けば、今でも自前で掘った井戸からポンプで水を汲み上げて使っているところもあります、その井戸も自分たちで掘るのです、都心で生活する人たちには想像もつかないことかも知れません。

水道の民営化は安易に考えてはいけない

■少々料金が上がっても公営事業として

水道の基盤強化を図る水道法改正案について、政府・与党は今国会での成立を目指しています。人口減少で料金収入が減少するとともに、水道事業を担う人材も不足するなど、水道事業は深刻な危機に直面しています。その打開策として政府が打ち出したのが、民間の資金や能力を活用する「コンセッション方式」です。しかし、運営を民間に委ねる“民営化”には住人の抵抗が根強いようです。

■自分たちで生命線を守る

『国民の生命と生活に欠かせない水道事業は民営化になじまない』新潟県議会は10月12日、水道法改正案に反対する意見書を可決しました。野党系が発案したものに最大会派の自民党が賛成するという異例の決断となりました。民営化が進展すれば、海外から「ウオーターバロン」「水メジャー」と呼ばれる巨大な水道事業が日本に押し寄せ、海外企業に日本の命綱を握られてしまう懸念もあります。

既に海外では民営化の失敗例が報告されている

■民営化による水道事業の質的低下

海外では民営化による悪影響が報告されています。厚生労働省などによると、米アトランタでは1999年に民間が水道の運営権を取得しましたが、施設の維持費がかさんで水質が悪化し、4年後には再び公営に戻されました。この15年間で30カ国以上で再公営化されているといいます。南アフリカでは民営化後、料金高騰で支払えない約1千万人が水道を止められ、汚染された川の水を使いコレラが蔓延しました。また、ボリビアでは水道料金が跳ね上がり暴動が発生したケースもありました。

■意識を持って必要な公共事業は国民全体で支えていく

厚生省は、民間が運営しても管理がずさんにならないように、定期的に監視や立ち入り検査を実施するとし、水道料金の枠組みは自治体が事前に条例で定めることなどを示し、理解を促しています。現在、日本の水道の水質の高さや漏水率の低さは世界でもトップクラスの水準を誇っています。民間主導となった場合、同じレベルの内容が維持されるかどうかは疑問ですし、料金が上がることは間違いありません。国民の生命線とも言える水道水を不安定な状態に置くことはできません。なかには「やってみればいい」と軽く考える方がいるかも知れませんが、それは日常的に安価な水が手軽に手に入る“今”だから言えることなのです。いったん崩れてしまったシステムは元に戻すには大変な労力と費用が必要になります。私たちは、もっと水のありがたさを知り、その事業を国民全体で支えていく意識を持たなければなりません。アフリカの子供たちが濁った水を飲み、アジアの島の子供たちがボウフラの泳ぐ雨水を飲むのを「かわいそう」などと言っている場合ではありません。その姿は、明日の私たちの姿かも知れないのです。

 

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