まったく納得のいかないマッチメイク、単にメイウェザーを来日させたかっただけなのか?天心が倒れて初めて、その暴挙を知る。

引用 RAIZIN

大晦日の大格闘イベント「RAIZIN.14」でボクシング元5階級王者、フロイド・メイウエザー・ジュニア(41)と、天才キックボクサー、那須川天心(20)の3分3ラウンドのボクシングルールによるエキビションマッチが31日夜埼玉アリーナで行われ、3度のダウンを奪ったメイウエザーが1回2分19秒でTKO勝利しました。体重差はなんと5㎏、グローブハンディはメイウエザー10オンスに対して天心8オンスとついていましたが、元とはいえ、5階級制覇の王者が少し本気を出すと、こうも相手を圧倒してしもうものなのかと再認識させられるKOショーとなってしまいました。天心陣営がタオルを投げ入れることで事故にはなりませんでしたが、体格差があり、経験に勝る元チャンピオンに対する無謀とも思われるマッチメイクには疑問が残ってしまいました。

盛り上がりが大きかった割に、瞬殺だった試合

■試合としての意識がなかったメイウエザー

試合の冒頭、BENIがアメリカ国歌を歌いあげる中、メイウエザーは終始笑いながらせわしなく動き、ロープの感触を確かめ得意のダッキングで上体を揺らしていました。最初はガードを固め、パンチを見切ったらL字ガードでディフェンスの技術を駆使しながら、彼がインタビューで応えてきた「9分のエンターテインメント」を演じる準備にも見えました。しかし、本気の天心のパンチがメイウエザーのKOショーに火を付けたのです。誰が見てもメイウエザーは天心を“なめて”かかっていました。しかし、天心の左ストレートが顔面をかすめるとメイウエザーの態度は豹変するのです。天心は試合後に語っています「渾身のパンチだった。一発入ってそこから顔色が変わった。凄いプレッシャーをかけてきた。圧力が倍以上に感じた。怖さが増した」。

■1ラウンドで3度のダウン

この試合を見ていたボクシング関係者も、この一発がメイウエザーに火を付けたと解説します。「最初は防御技術を駆使して格の差を見せつける予定だったのでしょうが、予想外の一発をもらったことで火がついてしまったんでしょう。体重差はあるにしろ天心は8オンスのグローブを使用していましたからね」この一発以降、メイウエザーがガードをしっかりと固めて前進、スイング系のボディを打ってきます、天心はブロックで止めましたが「ボディに気をとられた」ところへ左フックが襲います、テンプルの奥、側頭部あたりを打たれました。天心は体を反転してダウン、ものすごい威力だったのです。立ち上がってボディを中心に反撃するもメイウエザーの右を顔面に食らって2度目のダウン、このパンチで完全に足にきてしまいます。そして、最後の左フックがテンプルやや奥にヒットし3度目のダウン、レフリーのカウントが始まると同時に赤いタオルが投げ込まれました。

冷静に5階級制覇、20年負けなしの元チャンプを考えるべき

■メイウエザーには結末が見えていた

この試合、始まる前までは「なんとか1発」「もしかしたらKOとか」視聴者も日本の神童がアメリカの元チャンプを苦しめる試合をするのでは、もしかしたら勝ってしまうのではと大きな期待をしてしまいました。しかし、考えて見ればメイウエザー側が言っていたことが正しいのです『3分×3ラウンド』であれば寝ていても勝てる、その言葉通りになってしまいました。メイウエザー側は50人を超えるスタッフを引き連れ、ほとんど観光気分での来日でした。買い物をして叙々苑で焼肉を食べ、終いには富士山を見に行こうとしていたらしいのです。こうした行為から会場入りは1時間も遅れ、試合前のウオーミングアップもほとんど行いませんでした、テレビを見ていると汗を全く書いていないメイウエザーの上半身を確認することができました。事前のアップさえ必要がないくらい楽勝だと確信していたということです。また、試合後もマスコミの質問には一切答えず、一方的にダラダラと話をして去っていきました。

■もともと不利な上にルールも整備されていなかった

試合前、前日の計量の時点でメイウエザーと天心の体重差は4.9㎏ありました。当日の食事を考えると6㎏以上の体重差になっていたことが考えられます。ボクシングの階級で考えると2階級差があったことになります、このことを考えただけで通常なら戦いません。もし、体重差をカバーするルール“足技”を使って良い等の体重差をカバーするようなルールがあれば考えられるかもしれませんが、体重差に加えて身長もメイウエザーが高く、当然にリーチも長くなってしまいます。①20年負けなしの高度な防御技術 ②従来のパンチ力に加え、体重差による威力の増幅 ③リーチで上回るメイウエザーの攻撃範囲の広さ、また50戦を戦った経験まで考えると「天心の圧倒的不利」が容易に理解できます。天心が倒れて、「やっぱり力の差は歴然」と言われましたが、当初より天心が不利なことは関係者には十分にわかっていたはずです。格闘技ファンが喜ぶからとあまりに力の差があるマッチメイクは逆に引いてしまいます。競技、特に格闘技には「もし」はないのです、きちんとした公平感を持った環境で、ルールも双方に平等な形で戦うべきです。今回のメイウエザー戦は大きな教訓を残して終わったと言えます。

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