ケンミンショーで紹介された「びっくり亭」、あまり広げない方がいいじゃないかと思います。もつ鍋の「万十屋」みたいになってしまいますよ!

引用 びっくり亭

テレビだからと“決めつけ”はいけません、福岡県民みんなが昭和38年からずっと「びっくり亭」の焼肉を食べてきたなんて、そんなことはありません。確かにコンパクトシティである福岡では情報の伝播が速く、うまい店はすぐに話題になるし、定着していけば基盤も広がっていきます。しかし県民の誰しもが知る「焼肉」ではないのです。基本的には福岡市内でも南のはずれくらいの人々しか知らないのではないでしょうか、基本的に本店が福岡空港からJR南福岡駅へ向かう途中なのですから、それほど知られているとは考えられません。「うまい」ことで人気の店というのは頷けますが、テレビであたかも“誰でも知る”福岡のソールフードみたいなことにしてしまうと、興味本位で客が集中して変な方向に行ってしまうのではと心配します。

テレビで紹介されることで変わってしまうこともある

■長浜ラーメンは「やわ」と「かた」

これまでも福岡の“うまい”ものとしてとんこつラーメンを始め、鳥皮、ミニ餃子、水炊き、もつ鍋、等々がテレビで紹介されてきました。テレビで流れることによって、逆に改良された味や食べ方が登場することもあります。ガラパゴスに新種が入ってきて、オリジナルが浸食されていくようにです。事実、長浜ラーメンには「やわ」と「かた」しかなかったものが「バリカタ」や「針金」、「粉落とし」まで出てきました。これは、一説によるとテレビチャンピオンで博多ラーメン対決を行った時に、時間がなくなった選手が熱湯を通すくらいで麺を食べたことが発祥とする説があります。そうなんです、好みはあるかもしれませんが、あまりに固い麺は「いただけません」。

■もつ鍋の元祖は「すき焼き」風

もつ鍋に関しても、博多の元祖もつ鍋と言えば「万十屋」と言われます。一時は元祖としてメディアにも取り上げられて早良区の本店の駐車場には入りきれないくらいの車が集中したこともありました。しかし、歴史が70年あって元祖と言われても、現在、あちこちで食べられている醤油味の鍋風とは異なるのです。モツやニラを食材とするところは変わりませんが、基本的に“すき焼き風”なのです。鍋風でスープといっしょに味わうのではなく、たまごにつけてすき焼きのようにして食べるのです。通常、想像するスープ有のモツ鍋とは異なります。このもつ鍋が歴史があって元祖だから福岡県民のソールフードかと言えば、そうではないでしょう。現在では「もつ鍋」カテゴリーのひとつにしか過ぎません。

メディアで取り上げられるから地元メジャーとは限らない

■だけじゃないでしょ、他にもいい店はあるでしょ。

今夜は博多の焼肉として「びっくり亭」が紹介されていましたが、博多の激辛焼肉と言えば千代町の「玄風館」ではないでしょうか、こちらも歴史は60年を数え、その知名度はびっくり亭さんより高いのではと思われます、店は恐ろしく古く、店内にたちこめる煙はハンパではありません。しかし、知る人ぞ知る「焼肉」の名店であることは間違いありません。びっくり亭が紹介されるなら、こちらもどうぞという感じです。そうなのです、大きくカテゴリーで流行りを表現することはできるのですが、個店別に「どうですか」といってもチェーン化された大企業でなければ『熱烈なファンもいる繁盛店』でしかないのです。「とんこつラーメン」で紹介するのか「長浜ラーメン」で紹介するのかでは切り口が違ってきます。

■まだまだ、おいしい店はたくさんある

福岡の食文化として「辛焼肉」がカテゴリーとしてあると紹介して、いくつか店舗を取り上げればよかったのにと個人的には思います。番組を見て「びっくり亭」に行かなければと思った旅行好きの人もたくさんいると思います。しかし、しばらくは長蛇の列でなかなか入れない状態がつづくでしょう。また、キャパ以上に客が来ることで“いつもの”味が味わえない可能性もあります。テレビで紹介されることは悪いことではないと思いますが「・・・もある」とするのか「・・・しかない」とするのでは天と地ほどの差が生まれます。私が思うに、福岡市内には“辛焼肉カテゴリー”の名店は他にもたくさんあります。ここだけと言わずに他も食されてみてはいかがでしょう。

 

 

 

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