「イライラ募った」岸和田で介護の果ての殺害、高齢化が進めば増加が懸念される介護の“向こう側”。

引用 LINEトラベルjp

17日午前4時40分ごろ、大阪府岸和田市真上町の民家から「夫を殺した」と110番通報がありました。大阪府警岸和田署員が駆けつけると、1階の居間のベッドで住人の今口光顕さん(74)が仰向けに倒れており、病院で死亡が確認されました。同署は、現場にいた妻の淑子容疑者(65)が「夫の口を塞いだ」と認めたため、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。今後は殺人容疑に切り替えて捜査を行います。

岸和田で起こった妻による夫殺害

■原因は介護疲れ

記者和田署によると、逮捕容疑は17日午前4時ごろ、自宅の居間で光顕さんの口を塞ぐなどして殺害しようとしたというものです。淑子容疑者は「日常的に介護をしており、文句を言われ続け、イライラが募った。夫の顔に枕を押し付けて殺した」と供述しています。夫婦は2人暮らしだったといいます。想像してみてください、家に夫婦2人で住み、片方が起き上がることもできず、介護が必要な状態だった場合、健康な方は常時介護を要求されることになります。食事・排泄・洗浄・着せ替え・洗濯…要介護の人間の周辺には手間と労力のかかる作業が溢れます。その上、介護している際に非難でもされようものなら、「やっていられない」と思っても仕方がありません。

■これからは介護問題が大きくなっていく

「そんなことを言っても人間なのですから」と諭す方がいるかもしれませんが、今後はこうした家庭が急激に増えていくのです。いくら耳障りの良い話をしたところで、現実の問題は無くなりません。要介護人の周辺に介護ができる人間がいれば問題はありません、それが有償で雇った人間であれ、身内であれ、介護が可能な状態にあるならばです。しかし現実的には「介護が必要でも」面倒を見る人間がおらず、アパートの一室で病気になって孤独死するケースなどが増えています。おそらく、要介護者に必要な人員を振り分けると日本経済を支える労働力がいなくなってしまいます。では足りない人員をどう補完したらよいのでしょうか?

考えなければならない「介護の向こう側」

■介護する方も、される方も変わっていかなければ

今回の岸和田の事件は老々介護が招いた悲劇です。介護していた奥さんも65歳と、肉体的にも衰えが出てくる年齢で、介護作業に追われる毎日で精神的な余裕も無くしていったことが考えられます。長年連れ添った夫婦であっても亀裂が生じてしまう『介護』、いったいどうすれば、この問題が解決できるのでしょうか?昨今、海外からの労働力の導入が検討されているようですが、単なるサービスではなく『介護』なのです。文化の違う外国の労働者に任せても大丈夫でしょうか、懸念されるのは単なる作業面の話ではなく、介護される側のメンタリティの問題もあるということです。岸和田の例のように、身内だからこそ「悪態」をついたのでしょうが、それが衝動的な殺害行為につながってしまいました。

■「介護の向こう側」に明るい未来を見たい

「介護の向こう側」に見えるのは将来の日本の姿です。高齢になって人の手助けが不可欠になっても無理なく社会生活を送ることができるのか。これからはAIを活用した介護ロボットなどが人手不足を補ってくれるかもしれません、しかし、要介護者や介護する人の精神的なケアはどうなるのでしょうか。今回も介護する人をフォローできる体制があれば、御主人の口を塞ぐこともなかったかも知れません。同じ境遇の人々が増えて、お互いの忙しさの中で他を慮ることを忘れていくのか、同じ問題を持つ人間同士として助けあっていくのか。後者しか道はありません、介護する人たちがお互いに助けあって介護を進めていくのです。そこには精神的に「支え合う」姿勢が必要です、自分だけではない、みんなが同じ境遇で介護を行っているという意識が、精神的な圧迫から解放してくれるはずです。物理的な労力削減も必要なことですが、IT技術による介護者の相互コミュニティ形成も重要なことです。老々介護の果てに要介護者が殺害されるような社会は「介護の向こう側」ではありません。生きる人皆が長寿の喜びを実感できてこその「介護の向こう側」なのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA