京都市の中学で行われた、交通安全教室でスタントマンが死亡!何のための“安全教室”なのか?問われる運営の在り方。

引用 IDOBATA TALK

12日午後2時20分頃、京都市山科区勘修寺平田町の市立勘修中学校で、京都市主催の交通安全教室の最中にスタントマンの中村佳弘さんがトラックに轢かれました。京都府警によると中村さんは約7時間後に搬送先の病院で死亡しました。山科署によると、歩行者役の中村さんが運転手の死角に入り、事故が起こるという想定でした。中村さんはトラックの前部にぶつかった後、車体の下に入ったまましばらく引きずられるはずでしたが、途中で前部のバンパーから手が離れてしまったといいます。中村さんは時速10kのトラックにそのまま巻き込まれてしまいました。

安全教室の事故の演出はイベント会社が請け負っている

■専門のイベント企業が安全教室を運営

中村さんやトラックの男性運転手は、京都市から委託を受けたイベント会社「ワーサル」(東京都渋谷区)が派遣していました。中村さんと社員の男性運転手は福岡から出向いていました。これはイベント会社「ワーサル」の支社が福岡にあり、その関係で福岡から派遣されて来ていたのです。「ワーサル」では映像関係のアクションから安全教室まで、幅広くイベント対応しており、最近では話題作『キングダム』にスタントマンを出演させるなど、実績は十分にあるイベント会社でした。また、中村さんも自身のSNSで自分の身体能力を公開しており、そのスタント能力は自他共に認めるものでした。

■巻き込まれた被害者は異変を知らせることができなかった

警察の調べによると、中村さんはトラックのバンパーにしがみついた後、安全に着地する予定だったのが車の下に巻き込まれてしまったそうです。運転していたイベント会社の社員が異変に気が付いたのは中村さんが巻き込まれた後でした。巻き込まれる時点で運転手に急を知らせることが出来たなら、防ぐことができた事故だったのかも知れません。また、中村さんは「ワーサル」の社員ではなく、アルバイトとして同地に来ており、事故後の補償に関しても心配されるところです。安全教室は中学校のグラウンドで開かれており、全生徒や地域住民ら約570人が参加していました。生徒の目の前で想定外の事故が起きてしまったため、安全教室は事故後に中止されました。

何のために安全教室を行うのか

■事故を見るためではなく、事故を起こさないために

交通に関する「安全教室」は各行政や学校で行われており、今回のようにイベント会社に依頼してスタントマンが事故を演出する例も少なくありません。しかし、実際に「ワーサル」が提供している安全教室における“事故再現”の動画を見てみると、前方で轢かれた人間がフロントガラスに叩きつけられてフロントガラスが割れるものがありました。迫力や臨場感はあるのでしょうが、そこまでやる必要があるのか疑問を持ってしまいます。安全教室で必要とされるのは、日常的に留意すべき注意点の確認などであって、それを怠った場合に起きる事故の『恐怖』『危険性』は二次的なものであるべきです。まずは、どうしたら未然に事故を防げるかが、安全教室の目的なのです。

■今回の事故を契機に“在り方”を考える

今回の事故は安全教室の在り方とともに、イベント会社が抱える問題も提起しました。亡くなった中村さんはスタントマンとは紹介されていますが、今回の安全教室には「アルバイト」として参加していました。イベントにおけるスタントの仕事は時給800~900円と、コンビニを下回る料金だと言います、その上、大きな危険があるのです。やはり、こうした危険なスタント行為は“何かあった場合”にキチンと補償を受けることができる立場の人間が行うべきです。中村さんも将来的にはイベント会社の社員になったのかも知れませんが、この時点ではアルバイトだったのですから、会社側もやらせるべきではありませんでした。今後の安全教室の在り方の見直しと、スタント行為に対する運営側の補償、今回の京都市の事故は、多くのことを考えさせられる事案となりました。

 

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