
引用 JTB
国内大手の旅行会社JTBが首都圏の2店舗で4月1日から、相談料の有料化を始めていました。10連休を前に、報道各社ではこの話題に注目しています。店頭に貼られた注意書きには、国内旅行の相談の場合、基本料金が30分2160円、海外旅行は30分5400円と表記されています。最初の30分は以降は国内なら同額で、海外旅行は3240円と書かれています。旅行料金相談料は、もともと観光庁と消費者庁が定めた「標準旅行業約款」にも載っている項目で、それをモデルにしたJTBの「旅行業約款」にも同様の記載があり、旅行計画の助言や日程表・見積書の作成、情報提供などに料金がかかると定めています。
注目される有償での「相談」業務
■これからの企業として当然なのでは?
これから始まる10連休を利用して旅行に出かける人は多いはず、その多くの人はネットで情報を得るか旅行代理店の店頭ビラ、あるいはスタッフから情報を得たのではないでしょうか?しかし、店頭でスタッフからあれこれ聞いておきながら「ちょっと考えます」と旅行プランのフレームだけスタッフと相談して、飛行機などの移動や、宿泊などに関しては自分で“格安”を探す方がいらっしゃるのではないでしょうか。情報に溢れた現代ではどう情報を選別するかが重要になってきています、そうした中で、本当に重要な情報を選別できるのは、その道のプロなのです。手軽に情報が入手できる現代だからこそ、プロの目を通した情報が必要なのです。
JTBが旅行相談料金を取るということで叩かれているそうですがそれは間違いです。
旅行相談料金は会社設立前に設定しないといけません。
各社設定していますが取っていないのはただオマケしてくれているだけ。
JTBはオマケをやめて正規料金を取るだけなんですよ。#JTB を叩くのはお門違い pic.twitter.com/fWuVxU4h2g— ファルケイ (@FALKEI13) 2019年4月22日
■当然だと思う客の考えを見直さなくては
先ほどのように、時間をかけて客に“選別した”情報を提供したにもかかわらず、それを客が利用して他社でチケットを手配したとすれば、どうでしょう。最初に接客対応して、客のために時間を割いたスタッフは「タダ働き」となってしまいます。緑の窓口に並んだことがありますか?繁忙期には長蛇の列となります、並んでいると駅の係員が来て「どんな御用でしょうか?」と用向きを聞き、「それなら自動販売機でも大丈夫です」と自販機に案内し操作の仕方を指導してくれます。そのまま並んでいれば、長い時間を列で過ごすことになったのが、スタッフのアドバイスで時短できたのです。こんな時、どんな人も駅スタッフに感謝することでしょう、しかし、それはその駅でチケットを買うから当然と言えば当然の事なのです。
ものの在り方を再考する零和の時代
■旅行業だけではなく他の業界でも検討を
旅行だけではありません、不動産なども同じように情報に左右されることが多い業種です。
金額が大きく、専門性を要求される内容がほとんどの為、モデルルームなどで詳しい説明を受けなければなりません、しかし、どんなに時間をかけて接客対応しても、そのお客がそこを買うかは定かではありません。「そんなの当たり前じゃないか」そう思われるかもしれません。しかし、これからの時代、そうではいけないのではないでしょうか。案内し説明を受けるのに30分○○円といった料金を請求すべきだと思います。いろんな業界で、説明し知識を与えることの対価を求めるべきです。そうすることによって、より一層、買う側と売る側の関係性に緊張感が生まれ、顧客満足度が増すと思うのです。当然、客からのクレームも減っていくと推測されます。
おー。これはいいと思う。
サービスに対する対価を払わない人、対価以上のサービスを要求するような人は客ではない、というのは業界問わず浸透させていかないと、日本全員で不幸になってしまう。JTBが窓口対応を有料化、1時間4320円に「冷やかし対策」 https://t.co/IjfT78tSpr
— Kansuke (@nakansuke) 2019年4月23日
■単に「相談」を有料化するのではなくサービスを見直す時代
「タダより高いものはない」そうなんです、料金を払わずに得た情報に「保証」はないのです。料金を払うということは、それに値するものが提供されるということなのです。いろんな方面で「今まで無料サービス」でやってきた相談に対して有償とするのは問題ではないかと言われているようですが、相談で料金を取っていいのは弁護士だけなのでしょうか?JTBさん、よくぞやってくれましたと言いたいところです、業界のリーディングカンパニーとして料金を取って当たり前の『相談』を提供し、スタッフが時間をかけて接客対応する場合には有償であって当然という流れを作ってもらいたいものです。情報化が進み情報が溢れる状態になればなるほど、より人間の介在が必要になってくる場面があるのです。亡くなられた未来学者のアルビン・トフラー氏は「第三の波が来たからといって、第一の波が無くなってしまうわけではない。両者は共存していくのである」と語っています。
情報が氾濫するこの時代、料金を払っても必要な「相談」があるはずなのです。