令和初日、NHK・BSで「雨あがる」を放送、新元号時代の始まりに「ぜひ、ご覧ください」

引用 映画「雨あがる」

朝から新天皇の即位の儀式の中継と、天皇家関連の番組ばかりで食傷ぎみのみなさまに、箸休めのご案内です。令和初日の本日、NHK・BSでは「雨あがる」が放送されます。令和の初日ということで同映画がラインナップされたわけではないようですが、新しい時代の始まりには相応しい映画だと思います。本作は黒澤明監督が脚本を書いています、とはいっても脚本執筆中に骨折して療養生活に入り、完成させることなく亡くなってしまいました。長年、黒澤監督の助監督として脚本執筆の手伝いをしていた本作の監督、小泉監督が黒澤監督から聞いた構想や残されたノートを参考に補作して完成させたのが本作の脚本です。

脚本は黒澤明監督の未完成脚本

■本作は、黒澤組の総決算作品

黒澤監督の通夜の時、息子さんの久雄さんが「長年黒澤の側にいて尽くしてくれた小泉さんに、恩返しの意味も込めてこの作品の監督をしてほしい」ともらしていました。さらに数日後黒澤監督のお別れの会の際、黒澤組の皆さんを前に、小泉さんに監督をぜひやってもらいたいので皆協力してほしいと呼びかけました。そのあと、小泉さんは監督としての準備を行い、8カ月後にクランクインするのです。黒沢明監督の構想ではラストで主人公の伊兵衛にある出来事が起こることになっており、撮影も行われていたのですが、完成作品にはカットされています。伊兵衛を演じた寺尾聡さんは「(カットされた場面)演じていて居心地が悪かった」と小泉監督に撮影後に語っていたそうです。

■小泉監督は新時代の作品として製作

本作品は黒澤監督が在命中に「撮ろう」と言えば、いつでもクランクインできるように準備も整えられていました。しかし、黒澤監督は撮影に入りませんでした。本作は、長年黒澤映画の音楽を担当していた佐藤勝氏の復帰作であり「遺作」となってしまいました。佐藤氏は『影武者』で音楽の方向性の違いから降板以降、黒澤作品からは遠ざかっていたのです。また、殿様役は三船史郎さん(三船敏郎氏の息子)が演じ、妻役は『夢』に出演予定だった壇ふみさんが演じています。黒沢監督の遺稿となった脚本に加え、黒澤監督存命中に果たせなかった出演等を実現し、本作は黒澤組の総決算的なものとなったのです。しかしながら、作品自体は黒澤映画というよりも、小泉堯監督ならでは内容となっています。

令和の初日に見るにふさわしい作品

■「雨あがる」令和初日の今日

本作品は第24回日本アカデミー賞において、最優秀作品賞を含め8部門で受賞をしました。最優秀主演男優賞は伊兵衛役を演じた寺尾聡さんが受賞されました。この作品以降、小泉監督と寺尾さんのコンビは次々と作品を世に送り出していきます。令和初日の5月1日に本作が放送されるには、何かの“縁”があるのだと思います。昨日まで「雨」の予想で、新天皇の即位関連の行事も雨の中かと思われていましたが、新天皇の道行を見守る沿道の人たちのために「雨があがった」のです。“雨あがる”その先には、気持ち良い晴天の空が待っているのです。新天皇にとっても私たち国民にとっても「雨上がる」令和の始まりとなりました。

■もうすぐ、始まりです。「見てください!」

映画の内容が最後になってしまいましたが、「あらすじ」をご案内しておきます。

『職もなく、あてのない旅をする武士“三沢伊兵衛”、そしてその妻「たよ」。ある日大雨で足止めを喰らい、立ち寄った宿で、さまざまな人々の喧嘩に出くわす。命の危険を顧みず、仲をとりもつ伊兵衛。その一部始終は藩主の目の届くところとなる。藩主は伊兵衛の人柄をお気に召し「剣術指南役」として城に迎え入れようと申し出るが‥‥』

原作は人情派の山本周五郎の短編小説です。見終われば、きっと雨上がりのような気分になれるはずです。新元号始まりの日、「雨あがる」をぜひご覧ください。

 

 

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