
引用 雪見だいふく
永い間、冬季販売とされてきたロッテの雪見だいふくが2018年の4月より通年販売となりました。以降、雪見だいふくを使ったアレンジものが流行っており、最近では日清のカレーヌードルとの取り合わせが絶妙ということで、日清とロッテが会社として公に認めてもいます。しかし、雪見だいふくは“そのもの”食べてもおいしいもの、騒いでいるのは、ごはんにポテトチップを乗せるとおいしいとか、バニラアイスに醤油を足すとみたらし団子味になるなどの“食べ合わせ”を楽しんでいる方々ではないのでしょうか。雪見だいふくがアレンジの材料としてニーズがあったから2個入りスタンダードが通年販売されるようになったとされていますが、それはほんとうなのでしょうか。
雪見だいふくが開発されたのは30年以上前
■2個入りスタンダードは冬季限定商品だった
雪見だいふくは19881年10月にロッテが日本で発売した氷菓です。2008年以降はロッテアイスが販売しています。アイスクリームの外側を薄い求肥で包み、大福のように丸くした氷菓です。使用されるアイスクリームはバニラ風味が基本ですが、限定生産でそれ以外のものが売り出されることもあります。2個入りは発売から長い間冬季限定(9月~5月)の販売でしたが、2018年4月より通年販売となりました。温かみのあるイメージが強い和菓子の大福餅と冷たいアイスクリームを食材として組み合わせ、発売以来人気商品として知られてきました。
雪見だいふくの中に…可愛すぎる☆ pic.twitter.com/bRWUlhGSBb
— ぐうかわ♥動物アルバム (@Goocawa_Animal) 2019年6月5日
■雪見だいふくは、いまでも人気の商品
雪見だいふくの発売前年1980年9月には、マシュマロにアイスクリームを入れた「わたぼうし」がヒットし、雪見だいふくはこれを元に開発された商品です。大福とアイスクリームのミスマッチ感は広告でも巧みに訴求され、炬燵のある和風の家の屋内を「大福」イメージに、窓や庭先から眺める雪景色を「アイスクリーム」のイメージに重ねて「大福」と「雪見」を自然な光景の中の馴染みある取り合わせとして演出して見せていました。パッケージデザインの赤と白も同様のコンセプトをもとにしています。発売から10年あまりアイスの味はバニラだけでしたが、1992年以降、バリエーションとして限定発売でイチゴ味やチョコレート味も発売されるようになりました。しかし、主力はバニラ味で毎年約70憶円を超える売り上げがあります。
完成された商品なのだから、それだけで十分
■当初はメーカーがアレンジして見せていた
雪見だいふくのアレンジは、当初はメーカーが企画して行っていました。初めての雪見だいふくを使用してオリジナルメニューを作るイベントは2016年に東京と大阪で行われました。「雪見もちもちカフェ」と題し、東京は表参道、大阪は阪急梅田改札内に特設店舗を作って開催されました。その内容は、ヨーグルトホイップやハニーナッツ、クリームチーズソースなどを使ったメニューが提供されました。このころから、他の食材と組み合わせることによって雪見だいふくの風味が増幅されることを知ってもらおうとしていたのです。しかし、+する食材が手が込んだものであり、まだ、一般でアレンジする段階には至っていませんでした。
雪見だいふくグルメ ー アメブロを更新しました#嵐山瞳太郎https://t.co/1MuAropMq1 pic.twitter.com/D2jhH4B5Pl
— 嵐山瞳太郎 (@totaros200) 2019年6月5日
■好みではありますが、そのままでもいいんじゃないですか?
最近の雪見だいふくアレンジで有名なのは+カレーヌードルでしょう。カップヌードルの蓋を開け、麺の一番上に雪見だいふくを乗せてお湯をかけ、3分待てば出来上がりです。カレーがまろやかになり、独特の食感を味わうことができます。カレーとするにはちょっと甘いので「別物」と考えて食すべきでしょう。その他にも、卵サンドに挟みこんだり、直接リキュールをかけたりと、いろんな食材と合わせるやり方がSNS上を賑わせています。まあ、試してみるのはいいことなのでしょうが、必ずしもこうしたアレンジを良しとする訳ではありません。雪見だいふく自体が画期的な氷菓なのに、わざわざ別で利用して食べる必要性があるのでしょうか。好みの問題ではありますが、ここまでロングラン商品として確固としたポジションを築いてきた商品なのですから、そのオリジナルの味を楽しみたいものです。