「犬鳴村」はあくまでフィクション、実在の“犬鳴峠”を訪れ心霊スポット荒らしをする輩に災いあれ!

引用 犬鳴村

2月に公開された「犬鳴村」を見て、こんな村があったのかと都市伝説を鵜呑みにする人はそういないでしょうが、モデルとなった“犬鳴”は福岡県に存在します。福岡県の久山町と若宮市にまたがる旧犬鳴トンネルがそれです、後述しますが同トンネルでは凄惨な事件も起こっており福岡では「心霊スポット」として有名でした。しかし、それは事件が起きる前から囁かれていた話であり、事件や事故が起こったから“旧犬鳴トンネル”が心霊スポットとなったわけではありません、新犬鳴トンネルが完成したのは1975年、それから直ぐに旧隧道が閉鎖されたかは定かではありませんが、1962年生まれの私の記憶の中では80年代には既に“心霊スポット”となっていたイメージがあります。

どこにでもある地域伝承

■犬鳴の由来

「犬鳴」の由来には諸説あります。『犬鳴山古実』には「この山を犬鳴きと呼ぶのは谷の入り口には久原へ超える道筋に滝があり、昔 狼が滝に行き着いたが、上に登れないことを悲しんで泣いていた」と記されています。また、この峠はとても深いため犬でも超えることができず泣き叫んだため犬鳴と命名されたとする説もあります。民間伝承では漁師が山に入り、鳴きやまない犬を殺し、その直後に大蛇が出てきたのを見て犬を哀れんだという話も伝わっています。どの由来を見ても、山深い地で「犬さえ難儀する場所」として伝えられています。

■日本のどこにでもある話

旧犬鳴峠、犬鳴山、犬鳴峠は狭い範囲に点在するのではなく、犬鳴は連峰をなしており都市伝説となっている「犬鳴村」が旧犬鳴隧道周辺にあったとされていますが、隧道周辺ではなく、この連峰エリアの一画に『村』あるいは集落が存在していたとしても不思議はありません。もし、その集落がハンセン氏病や差別に関連した事由で周辺との繋がりを絶って自給自足の生活を続け、消滅していたとしても、誰も気づかないということはあるでしょう。ほとんどの方は実感がないかも知れませんが、日本の国土の約7割は森林であり、そのうち1300万haが天然林なのです。その広大な森林の中に“忘れ去られた集落”があったとしても当然ではないでしょうか。

人が生みだした「心霊スポット」で悲劇が起きた

■犬鳴の惨劇

犬鳴の旧隧道が「心霊スポット」となったのは、その雰囲気から“何かが出る”となったのでしょう、その昔、犬が鳴いて大蛇の存在を知らせたように。しかし、その場を決定的な「心霊スポット」としたのは、田川郡方城町伊方の工員・梅山梅一さん(当時20歳)が焼死体で発見される事件が起きたからです。警察は田川地区の少年グループ5人(当時15~19歳)が梅山さんにガソリンをかけて焼き殺したと断定し、殺人と監禁容疑で逮捕しました。

■信じられない成り行き

驚くことに事の発端は、たまたま信号で停まっていた車に乗っていた梅山さんに少年らが「女を送るのにカッコつかんから車貸せ」と言い出したことからだったのです。車を貸すことを断った梅山さんは、暴行を受け拉致されて、更に執拗な暴行を受けました。見張り役の少年の隙を見て逃げ出した梅山さんは、ボロボロになった体で歩いて家を目指したのです。しかし、追ってきた少年らに再び捕らえられ苅田港に沈められそうになりますが抵抗の結果、トランクに入れられ移動します。ダムへの投棄も考えたようですが身元がわかる事を恐れ、旧犬鳴隧道へと至るのです。ガソリンをかけ焼死させるつもりだったのが、失敗して逃げられ、捕らえてからは石で頭を割り、それでも逃げようとする梅山さんはガソリンをかけられ、トンネルの入り口付近で息絶えたといいます。犯人の少年らは逃走時、梅山さんの死亡を確認するために3度も現場に戻ったそうです。

■それでもペンキを塗り、ゴミを捨てますか?

どうですか、こんな凄惨な事件が起こった現場。確かに「心霊スポット」かもしれません、しかし考えてみてください。あなたの家族が梅山さんのような目に遭ったら、知っている人間がボロボロにされた現場にペンキを塗りたくり、ゴミを捨てることができるのですか?映画の影響もあってか、旧犬鳴トンネル入り口周辺の荒れ具合は酷い状況のようです、地元県紙の西日本新聞によれば、「動画配信や肝試し目的とみられれるが、付近にはごみも散乱。侵入防止のためのフェンスを破る悪質な行為もあって、地元が対応に苦慮している」と状況を伝えています。社会から隔離された集落への入り口でも、凄惨な事件の現場でも、「心霊スポット」でもかまいません。その地を荒らすような行為をする輩は、自ら災厄を招くものと自覚してください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA