
引用 サンケイ
今日のフジテレビ系のワイドナショーで「ラーメン屋にまずいと言ったら罪に問われる?」という話題が取り上げられていました。1週間ほど前に、弁護士ドットコムで取り上げられていた内容です。社会通念的に“まずい”であれば、問題はないというのが法的な解釈のようです。番組では、泉谷しげるさんが北海道でインコのいる店に入った際の話をし、うまい、まずいの話ではなくなってしまい、各家庭の母親の料理がまずいことや、ゲストのHiroの母親・森昌子がペヤングさえまともつくれないなど、ラーメン屋の“まずい”からは逸脱した話となっていましたが、あなたが食べたラーメンがまずかったらどうしますか。
人は標準化をうまいと表現する
■味の好みははっきりしている
評判になったラーメン店に行列して入った際に、自分が思ったような味ではなくても「美味しいね」と言ってしまった経験はありませんか?基本的にラーメンほど、好き嫌いがはっきりとする食べ物はないと思います。塩、味噌、豚骨、醤油、好みによって好き嫌いがあるはずです、今では全国区になってしまったご当地ラーメンでも、知られる前に食べた際には「なんでこれがうまいんだ」と思ってしまうことがあったはずです。それから、何年かして東京に進出し、ご当地ものとは少々違うバージョンが出来上がってくると「地方で有名な〇〇が東京進出」長蛇の列となるのです。
とあるところでよく話題に出るラーメン屋が思い浮かんだ
店主に「まずい」法的問題は#Yahooニュースhttps://t.co/xXINvS772f
— タピブルー (@tpoktw) June 28, 2020
■尖がっていては万民受けしない
東京で食べる“ご当地ラーメン”がオリジナルかと問われれば「違うもの」と考えるべきだと思います。東京は『標準化』の中心地なのです、日本中、北から南まで多くの人間が集まってきます。その中心で「癖」のあるものはタブーなのです。少々、個性はあっても突出していては万民に受け入れられません。地方で大人気のラーメン屋さんが東京に進出すると、少しずつ味を変えていくのではないでしょうか。それを、味が違うと表現するのは間違いかもしれません、より多くの人が食べられるように“標準化”したと言うべきなのかもしれません。“標準化”されたものには「まずい」はないのです。なぜって、平均的な味になっているからです。
嗜好でまずいはかまわないが、基準にないものは困る
■オリジナルは先鋭的
かつて、本場の豚骨ラーメンを観光客が食べようとすると、初めて食べる人は「臭いがきつい」「脂っこい」と食べることができない人がいました。本場・久留米の豚骨ラーメン店だと、店の前に立っただけで独特の匂いがします。この内容を、そのまま関東に持ってきて『豚骨ラーメン』として売っても、多くの人に受けるとも思えません。結果、関東で営業している『豚骨ラーメン』の多くは“標準化”されたものとなっているのです。〇〇ラーメンと名が付くものは、オリジナルの尖がった味をそのまま持ってくると売れないので大衆向けに修正されているはずです。こうなってくると「まずいラーメン」は無くなってしまうのです。
ジモッティは好きだけど他府県民が知らずに入るとまずいと思われがちなラーメン屋ベスト3!!(まちこ調べ)
3位 神座!
2位 8番ラーメン!!
1位 五味八珍!!!
— まちこ🐈 (@komei_8629) July 1, 2020
■嗜好としての「まずい」は許される
まずいには2通りの不味いがあります。ひとつは「味」がまずい、もうひとつは売り物として不完全であって、まずい場合です。「味」のまずいは嗜好の問題ですから、ラーメンの大将に怒られる覚悟さえあれば「これはまずい!」と言って構いません、もちろん、単なる感想ですから法的に問題になることもありません。問題なのは後者、麺の茹で加減が失敗して“まずい”、あるいはスープがいつもと違っていて“まずい”、これは「味」以前にラーメン屋としての資質に欠ける店舗です、稀にですが出くわすことがあるはずです。こう考えてくると「不味い」と思える個性を持ったラーメン屋は「美味い」のかもしれません、もちろん資質を欠く店舗ではなく、ポリシーを持ってその味を提供する店です。かつて、一風堂も博多で「醤油ラーメン」の店で売っていたことがあるように…。